第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

画像診断3

一般口演1-08(III-OR108)
画像診断3

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 第E会場 (シンシア ノース)

座長:
麻生 健太郎(聖マリアンナ医科大学 小児科)

III-OR108-01~III-OR108-05

13:50 〜 14:40

[III-OR108-01] 320 Area Detector CTによる右室機能評価 -心臓MRI以外の右室機能評価の選択肢として-

喜瀬 広亮1, 相川 良人2, 河野 洋介1, 吉沢 雅史1, 戸田 孝子1, 小泉 敬一1, 杉田 完爾1, 星合 美奈子1 (1.山梨大学医学部附属病院 小児科, 2.山梨大学医学部附属病院 放射線部)

キーワード:右室機能評価、心臓CT、心臓カテーテル検査

【背景】右室機能評価のゴールドスタンダードは心臓MRIであるが、施設によっては設備が不十分であったり、長い撮影時間を要することからまだ容易な検査ではない。CTは放射線被ばくや造影剤使用の問題があるが短時間で容易に撮影可能である。今回、CTによる形態評価を必要とする小児において、撮影時にfull volume dataを収集し形態評価と同時に右室機能解析を試みた。【目的】CTによる右室機能評価を心臓カテーテル検査の右室造影(RVG)と比較し、その有用性と問題点を検討すること。【方法】2014年4月から2016年1月に、当院で320ADCT (Aquilion ONE, TOSHIBA)による心臓CT(CCT)を施行した小児例を対象として、得られたfull volume dataから3次元画像解析システムVINCENT (FUJIFILM)による右室機能解析を行い、右室拡張末期容量係数(RVEDVI)、収縮末期容量係数(RVESVI)、1回心拍出量係数(RVSVI)、駆出率(RVEF)を、心臓カテーテル検査の右室造影(RVG)と比較した。検査に際して、施設内の倫理委員会の承認を得、逐次近似法および低管電圧撮影を併用し、放射線被ばくの低減を図った。【結果】症例は8例。年齢、体重、身長は中央値で12歳,38kg,149cm。撮影は心電図同期下で、造影剤増強効果が主に右心室-肺動脈にあるtimingで行い、全例で右室心内膜のtraceが可能であった。CCT/RVGのRVEDVI,RVESVI,RVSVI,RVEFの中央値はそれぞれ103.9/81.9, 50.9/34.7, 53.6/43.2, 52.6/56.3で、RVEDVI,RVESVI,RVEFについてCCT-RVG間で相関が認められた。RVEDVI, RVESVIに関してCCTで有意に大きかった。【まとめ】CCTによる右室機能評価では、RVGでは誤差を生じやすい変形(肥大・拡大)を来している右室においても、MRIと同様に心内膜のtraceにより正確なvolume解析が可能である。造影効果の焦点が右心室-肺動脈のタイミングで撮影を行うことで肺動脈形態評価と右室機能解析が短時間で同時に施行可能であり、右室機能評価の選択肢となり得る。