13:50 〜 14:40
[III-OR108-03] 心臓MRIによる心室容積評価の検討
キーワード:TOF、CMR、Volume 解析
【背景】肺動脈弁逆流による右室容量負荷を伴うファロー四徴症(TOF)心内修復術後患者のvolume,心機能評価において心臓MRI(CMR)はGolden standardになっている。【目的】当院におけるTOF術後のCMRによる右室機能評価の妥当性について検討すること。【対象】2014年3月から2016年1月にCMRを施行したTOF術後 31例(年齢3.6-28.2歳;中央値13.2歳、男:女=20:11)【方法】MRI装置はPhilips社製1.5Tを用いて、8mm sliceでCINE画像を撮影。 Volume解析に熟練した放射線技師(A),循環器医師(B)両者で両心室拡張末期容積ml(EDV)収縮末期容積ml(ESV)駆出率%(EF)をSimpson(Disk)法にてBlind下で計測した。体表面積補正を行い、単回帰分析およびBland-Altman解析を用いて比較検討。【結果】A vs B 両群間比較 ; LVEDV index 72.4±12.8 vs 71.6±12.8ml/m2(r=0.9,bias 0.01±5.1ml/m2)、ESVI 31.0±7.8 vs 31.3±7.6(r=0.9,bias 0.6±6.2)、EF 59.7±5.0 vs 57.8±4.6%(r=0.79,bias 0.5±6.2%)。LVEDVI、ESVI、EFともに強い相関が得られ、系統誤差は認めなかった。RVEDVI 116.9±36.4 vs 116.5±38.1ml/m2(r=0.94,bias -0.1±20.7ml/m2)、 ESVI 62.2±21.7 vs 61.0±23.4(r=0.94,bias 0.2±17ml/m2)EF 49.8±5.7 vs 49.7±6.6%(r=0.72,bias -0.8±9.2%)。LV同様、RVもよい相関が得られたが、誤差のばらつきが大きく、RVEDVIで5/31例(16%)で15ml/m2以上の誤差を認めた。誤差を生じた症例において検討したところ、両者間で右室流出路のトレース断面に大きく差異を生じていた。【結語】右室機能を評価する上でCMRは正確で再現性が高く最適なModalityである。しかし、右室は左室とは異なり解剖学的に複雑であり、右室流出路トレース範囲の決定には注意が必要であり、個々の症例で両者間での一定した解析法が必要である。