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[III-OR108-04] 3D cine Phase Contrast MRIによるフォンタン血流の可視化と定量化 -Lateral tunnel TCPC とExtracardiac TCPCの比較-
Keywords:4D flow、流体力学、shear stress
【背景】3D cine Phase Contrast(PC) MRIは3次元+時間軸の血流情報が得られるため4D flow MRIとも呼ばれ、血流の可視化および定量化、流体力学的解析を可能にする。特にフォンタン手術における上大静脈・下大静脈それぞれから左右肺動脈へ流入する血流量をフレーム毎に算出可能で、また関心領域(ROI)でのwall shear stress(WSS)の算出が可能となる。【目的】3D cine PC MRIを用いてフォンタン循環における血流の可視化および定量(血流量、WSS)を行なう。【対象】対象はフォンタン(TCPC)術後の4症例。Lateral tunnelTCPC(LT群)2例;MA, DORV, PS(19歳)、CoA, VSD, AS(17歳)とExtracardiacTCPC(EC群)2例;TA1c(15歳)、DIRV, DORV,CoA(12歳)に分けて比較検討した。【方法】Philips社製MR systems Ingenia 1.5T。SequenceはECG同期3D-T1TFE phase contrast法。解析ソフトはGTFlow ver.2.7を使用。(1)フォンタン循環血流の可視化;streamlineでSVC、IVCから肺動脈へと流入する血流を可視化。各々の血流をカラー表示。(2)WSS(N/m2);LTとEC conduit中央部にROIを設定、8分割し一心周期でWSS(magnitudeとaxial方向)を測定し、8分割領域の平均値を両群間で比較した。【結果】(1)SVC・IVC血流を各々カラー表示することで左右肺動脈へ流入する血流を3次元的に可視化、各所での血流速度をカラー表示することが可能であった。(2)WSSmag(N/m2)はLT群0.109、EC群0.156、WSSaxial(N/m2)はLT群0.050、EC群0.137といずれもEC群に比しLT群で低値をとり、WSSaxialで顕著であった。【考察】3D cine PC MRIを用いることで従来のモダリテイーでは困難であったフォンタン循環の血流の可視化および定量化が可能であった。EC群に比しLT群においてはWSSは低値であったが、その臨床的意義についてはさらに検討を要する。