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[III-OR121-01] Fontan術後の収縮能低下の関与因子は何か
Keywords:Fontan、術後、収縮能
【背景】Fontan患者の収縮能低下の原因として、心室のtypeの他、Glenn 術以前の心負荷、房室弁逆流などが関与することが考えられるが、確定はしていない。【目的】Fontan患者における収縮能低下の原因について検討した。【方法】対象は2010~2015年に血行動態を把握するために心臓カテーテル検査を施行し、心室の駆出率(EF)が0.40以下であったFontan21例(収縮能低下群)。対照群として同時期にカテーテル検査を施行したEF>0.40のFontan141例を用いた。収縮能低下に関与する因子を単変量解析、次いで多変量解析で求め、次にrisk因子保有率による収縮能低下の合併率を検討した。【結果】両群間で、無脾症候群、共通房室弁、強い房室弁逆流の合併頻度に差はなかった。治療介入として、弁修復、ペースメーカー植え込み、fenestrated TCPCの施行率に差はなかった。多変量解析で収縮能低下に独立して関与したのは、肺動脈Index(≧350mm/m2、オッズ比11.7倍)、心室のtypeが右心室(6.1倍)カテ時年齢(>6.0歳、5.5倍)の3因子。単解析では更にcoil塞栓の既往がないこと(p=0.0037)、Glenn前の肺循環が肺動脈狭窄(p=0.002)、Fontan時年齢が2.9歳を越えていること(p=0.007)が関与し、これら6因子の収縮能低下への説明係数は42%であった。Risk因子が1以下の群では収縮能低下例はなく、4因子保有群では62%、5因子保有群で83%であった。収縮能低下群では心室拡張末期圧は同等であった。心拍出量は低下していた(2.9 vs. 3.4L/min/m2)が、Fontan後の入院率に差はなかった。【結語】Fontan術後の収縮能低下に、加齢、心室形態の他、Glenn術前の肺血流増加の関与が示唆された。risk因子を多く持つ例では収縮能低下を来す率が高く、注意が必要である。