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[III-PD03-05] 左心低形成症候群のFirst palliationの違いによる生命予後および神経学的予後
【背景】First palliationの工夫で左心低形成症候群の予後は改善しつつある。当院でのFirst palliationは1、一期的ノーウッド手術(N群)2、両側肺動脈絞扼術を介した早期ノーウッド手術(BN群)3、両側肺動脈絞扼術後ノーウッド+グレン手術(NG群)と治療法を変更し、intact atrial septumに対するハイブリッド治療(H群)症例も散見される【目的】初期治療法による生命予後、神経学的予後を明らかにする【対象】2004年から2015年までフォロー中のHLH S 80人を対象とした。【方法】1、First palliationごとの生命予後を比較する。2、HLHSの発達検査、MRI、就学状況を検討する。【結果】N群21人(26.3%)、BN群15人(18.8%)、NG群25人(31.3%)、H群4人(5%)、Bandingのみ9人(11.3%)、無治療6人(7.5%)であった。Kaplan-Meiyerでの5年生存率はN群50%、 BN 群50%、NG群82.4%でNG群が高値(p<0.01)。H群は2人が死亡、一人がグレン手術に到達。発達検査は生存50人中21人に施行(田中ビネー2人、新版K式9人、WISC3 3人、WISC4 7人。WISC3、WISC4全検査87.3±12.8(mean±SD)(正常70%)に対し田中ビネー、新版K式の全領域69.6±11.4(正常9%)は低い傾向にあった。MRIは白質容量低下をN群66%、BN 群66%、NG群70%に認め差を認めなかったが、就学状況では支援級、養護学校利用者の割合はN群41.7%、BN群100%、NG群25%でN群およびNG群で優位に低かった(P<0.05)。【考察】生存率および神経学的予後の改善にNorwood+Glenn手術は有用と思われる。今後の神経学的評価のさらなる蓄積が必要である。