The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)08(III-TOR08)

Fri. Jul 8, 2016 10:15 AM - 11:05 AM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
三浦 稚郁子(日本心臓血圧研究振興会榊原記念病院 看護部)

III-TOR08-01~III-TOR08-05

10:15 AM - 11:05 AM

[III-TOR08-01] PICUにおける病棟看護師の危機管理意識向上への取り組み~RCAの活用の定着を目指して~

所 明日香, 長柄 美保子, 若山 志ほみ (岐阜県総合医療センター)

Keywords:危機管理意識、RCA、医療安全

【背景】A病棟は小児心臓外科・小児循環器内科病棟であり、インシデント等の発生が患者に与えるリスクは大きい。そのため、類似したインシデントやアクシデントの再発を防ぐため、Root Cause Analysis(以下 RCAと略す)で事例分析し、改善策を導くとともに、スタッフの危機管理意識の向上を試みているが、なかなか定着できていない現状がある。
【目的】病棟看護師のRCAや危機管理に対する意識のあり方を明らかにし、病棟看護師が自発的に活用できるような方法を検討することで、ツールの定着化を図る。
【方法】2015年4月~2015年9月に質問紙を用いた意識調査とグループディスカッションを実施。質問紙調査の結果は、項目によって統計学的処理で集計した。自由記載の項目やグループディスカッションについては内容の類似性に従い整理し統合した。本研究は所属機関の看護研究倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】A病棟看護師を対象とし、同意の得られた23人に質問紙を配布、19人から回答を得た。(回答率82.6%)RCAは日々の忙しさの中での取り組みであり、スタッフによる認識の違いがあった。RCAの習慣化への対策については、<RCAをスムーズに行うための方法の検討><サポート体制の見直し><カンファレンス方法の検討><インシデントの周知方法の検討>の4つの要約が抽出された。
【考察】従来のRCAの取り組みは、危機管理意識を高めているとは言い難く定着も困難であった。そのため、RCAの活用が日常化し病棟の医療安全に貢献できるようにすることが望ましい。医療安全チームを始めとし、RCAが根付くような職場の環境作りを行いスタッフの危機管理に対する認識を一致させ、自発性を引き出せるよう日々工夫しながら取り組むことが必要である。
【結論】ツールの定着のためには、マニュアルを適宜変更し、RCAの効果を実感できるようにする。また対話を重視したカンファレンスの実施とともに、医療安全に関するファシリテータを育成する。