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[III-TOR08-02] ICUにおける心臓血管外科術後管理の看護実践能力向上にむけた取り組み~手術室と連携した研修体制の構築~
キーワード:ICU、教育、手術室
【背景】小児専門A病院ICUには経験年数3年未満の看護師が約38%配置されており、看護実践能力向上に対する教育に苦慮している。特に心臓血管外科のあらゆる術後管理のひとり立ちには、A病院ICU独自のステップアップガイドに準じても最短7年間を要する。今回、卒後2年目看護師に対する心臓血管外科術後管理の導入として、手術室看護師との連携をもとに手術室研修体制を構築したので報告する。【目的】心臓血管外科手術の知識と看護実践能力を術後管理に活かすことを目的とした手術室研修体制を整える。【方法】ICU看護師2名と手術室看護師1名が担当者となり、2年目看護師の教育状況と手術室で学べる項目を摺合わせ到達目標を設定した。また、研修を通して段階的に学べる内容と評価方法について検討し、平成27年度より研修を開始した。【倫理的配慮】該当する部署に対して、研究目的と内容の説明、および院内倫理委員会の承認を得た。【結果・考察】「開心術の一連の流れを理解し術後管理に活かせる」ことを到達目標とし、(1)技術研修(2)心臓カテーテル検査研修(3)心臓血管外科手術研修を段階的に計画した。主体的に研修に臨めるように事前学習をした後、平成27年6月より4名が手術室研修を開始した。個人差はあるが、1月末の段階で心臓血管外科手術研修まで到達している。研修評価は手術室の担当者から4段階の他者評価を受けて自己の課題と振り返りを記入し、ICUでリーダー看護師と研修の達成度の確認を行う形式とした。さらに各部署の担当者が2年目看護師の個々のステップアップ状況について共有し、ICUでの教育に反映できるようにした。段階的な手術室研修が心臓血管外科術後の管理における教育の場面となり、さらなる看護実践能力の向上に繋がると期待したい。【おわりに】心臓血管外科術後管理の土台作りとしての手術室研修が、有効な教育手段となるよう継続と評価が必要である。