The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)08(III-TOR08)

Fri. Jul 8, 2016 10:15 AM - 11:05 AM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
三浦 稚郁子(日本心臓血圧研究振興会榊原記念病院 看護部)

III-TOR08-01~III-TOR08-05

10:15 AM - 11:05 AM

[III-TOR08-03] 小児循環器ICUにおける看護師の追加鎮静の必要性の判断

本田 真也, 坂本 佳津子, 中井 佐江子, 西澤 由美子 (兵庫県立こども病院)

Keywords:集中治療、看護師、鎮静剤

【背景】小児循環器ICU(以下、ICU)において、医師の指示のもと看護師の判断で鎮静剤の追加使用を行うことがある。その際の判断基準として様々な鎮静スケールがあるが、スケールの表現や子どもの認知発達、項目の煩雑性や対象が限定されていることから臨床で活用することの難しさが言われている。【目的】ICUにおいて経験のある看護師が追加鎮静の必要性を判断する際の判断基準や困難を明らかにする。【方法】研究協力施設のICUで日勤リーダーを担う看護師8名に対し、半構成的面接を行い、質的に分析した。【倫理的配慮】研究協力施設の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】看護師は覚醒徴候やバイタルサインなどの変動を察知し、子どもの疾患・術式や術後経過、年齢から必要な基準を選択し、自身の経験知や記録・他者からの情報を基準として鎮静剤の使用を判断していた。術後急性期では鎮静に対する組織の考えも影響し、判断の迷いは少なかったが、覚醒徴候が見られてもバイタルサインの変動が少なくなる時期に判断の困難さを感じていた。この時期には、慰安など鎮静以外の介入を試すことが可能となるが、その介入の継続には看護師のマンパワー、哺乳・食事の時間、昼夜の生活リズムが影響していた。また、家族の面会も鎮静剤の使用の判断に影響を与えていた。【考察】術後急性期の判断基準は鎮静スケールの項目に合致している部分が多く、覚醒による影響も著明なため判断に困難はみられない。しかし、評価にかかる時間、疾患・術式に応じた項目の違いがスケールの活用につながらない原因と考えられた。また、病状の安定に伴い、鎮静剤以外の介入を試みることができる一方で、それらの介入の効果の不確かさもあり、どこまで介入し続けるかの判断に影響する要因が多く、困難感につながっている。そのため、子どもの病状が安定した時期の追加鎮静の必要性の判断には、鎮静剤以外の介入の効果の見極めが重要である。