The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)09(III-TOR09)

Fri. Jul 8, 2016 11:10 AM - 12:00 PM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
森貞 敦子(倉敷中央病院 看護部)

III-TOR09-01~III-TOR09-05

11:10 AM - 12:00 PM

[III-TOR09-01] 心疾患を有する小児をもつ家族の蘇生に対する意識の変化―心不全教育を含む小児心肺蘇生法講習会の導入―

小谷 弥生, 千明 桃子, 川浦 秀明, 後藤 真紀, 佐川 有子, 都丸 八重子 (群馬県立小児医療センター)

Keywords:心肺蘇生法、1次救命処置、心不全教育

【背景】心疾患を有する小児を持つ家族に対する1次救命処置(以下BLSとする)の研究は行われているが、心不全教育の内容を取り入れたBLS講習会の教育効果を報告した研究は見当たらない。【目的】心不全教育を含むBLS講習会を受けた家族の心肺蘇生に対する意識の変化を検討し、その結果を基に退院指導として心不全教育を含むBLS講習会の開催方法の示唆を得る。【方法】2015年10月~2016年1月にA病院循環器病棟に入院している患者の家族に、心不全教育を含むBLS講習会を行い、講習会前後で質問紙を配布、対象者の属性とBLSに関する意識の変化、心不全症状の認知度を調査した。対象者に研究目的や方法、参加や辞退の自由、プライバシーの保護、結果発表について文章で説明し同意を得た。A病院看護部研究倫理委員会の承認を得た。【結果】患者の家族20名に質問紙を配布、回収率、有効回答数100%であった。BLS講習会前後で自己評価に変化がみられた項目は、心臓マッサージ、呼吸確認、意識確認であった。我が子に対するBLS実施の意思は講習会後95%であった。BLS講習会前の心不全症状の認知度は60%であった。心不全症状を「知らない」と答え、入院回数が複数回のものは4名(50%)であった。講習会後の心不全症状の理解度は「よくわかった」と答えたものが11名(55%)であった。【考察】統計学的有意差は認めなかったものの複数回入院者の心不全症状の認知度が低い傾向にあった。A病院では退院前に指導パンフレットを用いて心不全症状の説明を行っているが、疾患や病状に即した症状の説明、継続的な教育支援、教材等の指導方法の検討が必要と考えられた。心疾患を有する小児を持つ家族はBLSに対し実施の意思が高いため、適切かつ継続した指導が必要である。【結論】心不全教育を含むBLS講習会は、BLSに関する意識の向上、心不全症状の理解度の上昇に効果がある。