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[III-TOR09-03] 生徒に対する一次救命処置および AED使用法に関する効果的な指導方法の検討
キーワード:一次救命処置、AED、突然死
【背景】近年、AEDは地域社会に広く普及し、学校内で設置がすすめられている。しかし、学校内で年間約40名の生徒が突然死している。突然死は多くがクラブ活動や学校行事中に起き、生徒や教職員が救命処置を施せば生徒の命を救うことができる。「生徒自らが心肺蘇生法を行える」ことを主題に、親子で心肺蘇生について考える市民講座を開催した。【目的】生徒への効果的なBLS指導方法を検討すること。【方法】平成27年10月、山梨大学小児科が中心となりBLSの習得に興味を持つ生徒とその親を一般公募し市民講座を開催した。BLS指導要項は動画とCPRトレーニングボックスを用いた40分の講義、2)CPRマネキン・AEDトレーナーを用いた60分の実技指導。【結果】医師・看護師14名のインストラクターが指導。参加者は53名で、内訳は親子18組47名(生徒27名)、小学校教員2名、その他4名。参加した生徒児童は、幼稚園2名、小学生19名、中学生5名、高校生1名。 講義は、インストラクターがBLSを平易な用語で解説した。さらに胸骨圧迫は難解な医学用語を使わないアニメーション動画を視聴させ机上でCPRトレーニングボックスを用いて指導した。この講義方法を用いることで小学校低学年でもBLSの概念を理解させることができた。 実技は、2から3組の親子(5-8名)をグループとしインストラクター2名がBLS を指導した。BLS手順は小学校低学年でも理解し施行することができた。さらに、AED作動方法は幼稚園生でも理解することができた。しかし、CPRマネキンを用いた有効な胸骨圧迫は小学校高学年以上の体力を必要とした。【考察】生徒に対するBLS指導は、平易な用語を用いた動画や蘇生トレーナーを活用することで興味を引きつけながら指導することができた。【結語】BLSは小学生でも理解し施行することができる。このため、BLSを小学校から指導することは、一般市民が救命処置を行う社会通念の普及に有効な方法である。