第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)09(III-TOR09)

2016年7月8日(金) 11:10 〜 12:00 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
森貞 敦子(倉敷中央病院 看護部)

III-TOR09-01~III-TOR09-05

11:10 〜 12:00

[III-TOR09-04] これが出来るよ!こうしたら出来るよ!~家族と開催する心臓病児の運動会開催報告~

竹内 好野1, 権守 礼美1, 柳 貞光2, 小野 晋2, 佐藤 一寿2, 吉井 公浩2, 稲垣 佳典2, 康井 制洋2, 麻生 俊英3, 江野澤 璽4, 鶴見 伸子4 (1.神奈川県立こども医療センター 看護部, 2.神奈川県立こども医療センター 循環器科, 3.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科, 4.全国心臓病の子どもを守る会 横浜支部)

キーワード:心臓病児、運動会、共同開催

【背景】近年、重症心疾患の子どもの救命率が飛躍的に向上し、子どもたちの多くが学校生活を送り、社会に出るようになった。しかし、病気の捉え方には個人差もあり、予期せぬ事態に不安を抱いて過度の運動制限を課し、消極的に過ごしている患者も少なくない。そこで、医師や看護師とともに、患者や家族どうしの交流を通じ、心臓病の子どもたちとご家族が楽しみ、自信が得られることを目的とし、2013年より親の会と共同開催で、心臓病児の運動会を開催している。【開催の実際】運動会の競技種目は、パン食い競走・玉入れ・ボール運びリレー等で、親の会が中心に企画。参加者は、第1回 総参加者数63名(内中学生未満14名、高校生以上6名)、第2回は総参加者数71名(内中学生未満19名、高校生以上5名)、第3回は総参加者数86名(内中学生未満23名、高校生以上6名)であった。医療スタッフは、医師及び看護師10名とファシリティドック、そして高校のボランティア部の学生らが参加。家族からは、「幼稚園の運動会と違って、自分のペースを守れる運動会を心から楽しんでいた」「それぞれのペースで力を精一杯出し合い頑張って共に良い笑顔で喜び合えるのは本当に素晴らしい」「みんなが出来る範囲で力を発揮していた」など可能な範囲で皆と運動を楽しむ喜びに関する感想が多くあった。また、「車いすから降りるといって息子の想像以上に頑張って歩く姿」「抱っこしていらないと、自分の力でリレーに参加している姿」に感動したこと、「年齢が違う人々と触れ合えて素敵な経験になった」「術後で心が弱っていたのでリフレッシュできた」「病児だけでなく大人も共に笑い合え、奮闘できた」と家族にとって貴重な時間となったようであった。【まとめ】家族と開催する運動会は、子どもが可能な範囲で参加できる方法を学習するきっかけとなるだけでなく、今後のお子さまとの療養生活をおくるご家族にとって励みとなった。