08:40 〜 10:10
[III-TPD01-01] 社会保障制度の現状と就労実態
キーワード:社会保障制度、医療費助成、就労支援
先天性心疾患に対する治療の飛躍的な進歩により、その予後は改善し、幼稚園、小学校、中学校はもちろん、高校、大学へ進学し、社会生活に参加する機会も増加しているが、心疾患患者の中には、合併症、遺残症、続発症や、根治術不能、遠隔期の再介入などの問題を持つ患者も存在する。さらに医学的問題に加え、社会生活のなかでの活動制限、進学、就職、結婚、妊娠、出産、保険加入というような小児期から社会生活へ移行していく上での多くの課題を抱えている。
生活を支える障害者福祉システムとしては、①社会福祉サービス、保健・医療保障、所得保障を3本柱とする社会保障制度、②生命保険などの民間保険、③特別支援教育などの教育支援、④障害者雇用などの就職支援、⑤税制配慮などがあげられる。
先天性心疾患患者の公的医療費助成は、自立支援医療(育成医療/更生医療)、小児慢性特定疾病医療費助成、指定難病の医療費助成、重度心身障害者医療費助成制度が重要である。2015年、医療費助成の対象疾患が拡大されたが、認定基準・患者負担の範囲などさらに検討されていく必要がある。障害基礎年金は、唯一の所得保障制度であるが、重症度の高い成人先天性心疾患患者にとっては十分とはいえず、所得保障の充実は重要な課題のひとつである。
また、就労と就業継続、年収、障害年金受給といった経済的問題が、患者の経済的・精神的苦痛と関連していることが指摘されている。障害者雇用促進法では、法定雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられ、働きたい障害者・心臓病者にとっては、雇用の機会が拡大されたが、就労・雇用の継続性と安定性の確保を図るために、多様な雇用形態・就労形態が必要であり、障害者雇用は、雇用を点で捉えるのではなく、「障害者を戦力化すること」が重要である。
かわりゆく社会保障制度の現状と先天性心疾患患児の就労実態、社会的自立を目標とした支援などについて概説する。
生活を支える障害者福祉システムとしては、①社会福祉サービス、保健・医療保障、所得保障を3本柱とする社会保障制度、②生命保険などの民間保険、③特別支援教育などの教育支援、④障害者雇用などの就職支援、⑤税制配慮などがあげられる。
先天性心疾患患者の公的医療費助成は、自立支援医療(育成医療/更生医療)、小児慢性特定疾病医療費助成、指定難病の医療費助成、重度心身障害者医療費助成制度が重要である。2015年、医療費助成の対象疾患が拡大されたが、認定基準・患者負担の範囲などさらに検討されていく必要がある。障害基礎年金は、唯一の所得保障制度であるが、重症度の高い成人先天性心疾患患者にとっては十分とはいえず、所得保障の充実は重要な課題のひとつである。
また、就労と就業継続、年収、障害年金受給といった経済的問題が、患者の経済的・精神的苦痛と関連していることが指摘されている。障害者雇用促進法では、法定雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられ、働きたい障害者・心臓病者にとっては、雇用の機会が拡大されたが、就労・雇用の継続性と安定性の確保を図るために、多様な雇用形態・就労形態が必要であり、障害者雇用は、雇用を点で捉えるのではなく、「障害者を戦力化すること」が重要である。
かわりゆく社会保障制度の現状と先天性心疾患患児の就労実態、社会的自立を目標とした支援などについて概説する。