08:40 〜 10:10
[III-TPD01-02] 移行期支援プログラムと支援の展開
小児期から成人期への橋渡しを行う移行期医療においては、患者本人が理解力と判断力に応じた説明を受け、決定、または意見を表明できることが重要とされている。移行期医療においては、計画的な移行期支援プログラムが必要とされるが、本邦では各施設が独自の取り組みを模索しているのが現状である。移行期支援の開始年齢については、12才、14才、15才と様々な見解があるが、我々は出生前診断の発展も考慮し、胎児期から開始することが必要だと考えている。患者が成長に伴い疾患を受け入れ、理解し、適切な社会参加をはかるためには、まずは家族の受け入れが必要であり、そこが移行期支援の出発点になると考えるからである。また、患者本人への説明も、一定年齢から始めるのではなく、どの年齢であって本人の理解力に応じて、できるところから説明していくことが重要と考えている。
この前提に立ったうえで、患者が中高生になった段階で、日本成人先天性心疾患学会看護情報交換会が海外の尺度と国内各施設が開発したチェックリストを基に作成した計15項目からなる移行期問診票を使用し、患者と家族の疾患理解とセルフケアに対する意識付けを行うことを提案したい。この問診票は、疾患理解に関する項目だけでなく、学校での運動や家事、たばこなどの生活習慣、職業選択、妊娠・出産に関する項目を幅広く含む点に特色がある。この問診票を将来的な小児科・小児病院からの転科・転院の有無によらず、小児科受診中の外来待ち時間などに看護師が実施し、関心事や疑問点を整理することで、患者・家族・医療者間のコミュニケーションの充実、ひいては患者家族の理解力と判断力の向上が図られることが期待される。
他方、患者が社会で生活していくためには必要な資源を活用することも重要である。小児慢性特定疾病対策では、医療費助成制度や所得保障制度、就労支援事業を活用するための相談支援事業が必須事業となっている。一部の地域では、基幹病院の外来に相談支援事業窓口を設置することで患者・家族の便宜を図っている。これらの体制整備には各地域の事情を考慮する必要があるが、本発表では事例を交えて実情をお話ししたい。
この前提に立ったうえで、患者が中高生になった段階で、日本成人先天性心疾患学会看護情報交換会が海外の尺度と国内各施設が開発したチェックリストを基に作成した計15項目からなる移行期問診票を使用し、患者と家族の疾患理解とセルフケアに対する意識付けを行うことを提案したい。この問診票は、疾患理解に関する項目だけでなく、学校での運動や家事、たばこなどの生活習慣、職業選択、妊娠・出産に関する項目を幅広く含む点に特色がある。この問診票を将来的な小児科・小児病院からの転科・転院の有無によらず、小児科受診中の外来待ち時間などに看護師が実施し、関心事や疑問点を整理することで、患者・家族・医療者間のコミュニケーションの充実、ひいては患者家族の理解力と判断力の向上が図られることが期待される。
他方、患者が社会で生活していくためには必要な資源を活用することも重要である。小児慢性特定疾病対策では、医療費助成制度や所得保障制度、就労支援事業を活用するための相談支援事業が必須事業となっている。一部の地域では、基幹病院の外来に相談支援事業窓口を設置することで患者・家族の便宜を図っている。これらの体制整備には各地域の事情を考慮する必要があるが、本発表では事例を交えて実情をお話ししたい。