The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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パネルディスカッション(多領域専門職部門)

パネルディスカッション(多領域専門職部門)(III-TPD01)
移行期支援における多領域連携

Fri. Jul 8, 2016 8:40 AM - 10:10 AM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
市田 蕗子(富山大学医学部 小児科)
水野 芳子(千葉県循環器病センター)

III-TPD01-01~III-TPD01-03

8:40 AM - 10:10 AM

[III-TPD01-03] 学校の現状と課題を考える

山口 秀子 (千葉大学 学生相談室インテーカー)

 養護教諭は、学校教育法に定められた「養護をつかさどる」職員で、学校において「健康管理」と「健康教育」をすすめるという世界に類を見ない日本独自の制度である。心疾患の早期発見や突然死予防として重要な学校心臓検診実施の事務管理も行っている。
 学校には、先天性心疾患あるいは後天的発症の疾患の子どもたちが通学している。何らかのケアや管理が必要な子どもたちを見守っているのも養護教諭である。今回のシンポジウムで学校の現状をお伝えし、連携を深めることができれば幸いである。
多くの公立小中学校では、基本的にクラスという単位の集団で最大限の学習効果を上げるべく授業が行われている。疾患をもつ子どもにとって、この集団指導が励みにもなり、楽しみでもあるが、一方で負担になることや無理しがちになることもある。『効果的な集団での学習』と『きめ細やかな個別対応』とのジレンマが、学校現場にあるということを医療者の方々にもご理解いただけると大変ありがたい。
学校では、心疾患のある子どもは、『管理指導表』に基づいて学習活動をする。管理指導表で禁止されていなくても、体調により負担のかかる前に見学や安静をさせることもあるが、学習の達成という本来の目的のためなるべくすべての学習活動をさせたいので、どこまでやらせていいか迷うことがある。管理指導表は改定されてきているが、学校現場に見合った十分なものではないと感じるときもある。今後は、より具体的な指示書のような形式にさらに改定してくことが必がであり、ご協力をお願いしたい。
なにより、子どもたちに最善の治療をしてくださる医療者の方々と常に見守ってくださる学校医の先生方に感謝していることを強く伝えたい。