3:00 PM - 5:30 PM
[LOP-03] 自立に必要な社会制度(公的補助・制度の解説と問題点)
小児期・成人期の医療費補助制度
わが国は、国民皆保険制度を採用していることから、原則として誰もが何らかの公的医療保険に加入しており、病気やケガで医療機関を受診すると、加入者(患者)の年齢や所得に応じて、かかった医療費の7~9割を公的医療保険が負担し、患者は医療機関の窓口で残りの1~3割を支払うこととなる。現在、子どもの窓口負担の法定割合は、未就学児(6歳に達する日以後の最初の3月31日まで)は2割となっている。 この窓口負担分(すなわち自己負担分)の一部を補助する制度(いわゆる医療費助成制度)として、地方自治体が法律に基づきまたは国の予算措置による事業として国の負担を伴って実施する事業と、地方自治体の条例・規則等に基づき独自に実施する事業(いわゆる地方単独事業)がある。前者は小児慢性特定疾病対策による医療費助成や未熟児養育医療、結核児童療育費、自立支援医療(育成医療)、後者は乳幼児等医療費助成(呼称は実施主体により異なり、子ども医療費助成と呼ぶ場合もある)、ひとり親家庭等医療費助成制度、重度心身障害者医療費助成制度等である。
これらの様々な小児の慢性疾病患者に対する医療費助成のうち、2014年5月の第186回通常国会にて成立した「児童福祉法の一部を改正する法律(平成26年法律第47号、以下、児童福祉法改正法と呼ぶ)」に基づき、2015年1月1日に全面施行された「小児慢性特定疾病対策」は、従来の514疾患から760疾患に対象が拡大され、登録病名の大幅な見直しもなされた。
また、特に成人期以降に慢性疾病患者が利用できる医療費助成制度として、同国会において成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号、以下、難病新法と呼ぶ)」に基づき実施されている「指定難病制度」がある。これは従来の「特定疾患」56疾患から、2015年1月1日の法施行時に110疾病に、さらに7月には196疾病が追加され、306疾病にまでその対象が拡大されている(現在、更なる対象拡大の検討が進められている)。
本報告では、小児期発症の慢性疾病患者が、小児期のみならず成人期以降も継続して医療費助成を受けられるようにと検討された2つの制度の連携の枠組みと今後の課題について検討したい。
これらの様々な小児の慢性疾病患者に対する医療費助成のうち、2014年5月の第186回通常国会にて成立した「児童福祉法の一部を改正する法律(平成26年法律第47号、以下、児童福祉法改正法と呼ぶ)」に基づき、2015年1月1日に全面施行された「小児慢性特定疾病対策」は、従来の514疾患から760疾患に対象が拡大され、登録病名の大幅な見直しもなされた。
また、特に成人期以降に慢性疾病患者が利用できる医療費助成制度として、同国会において成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号、以下、難病新法と呼ぶ)」に基づき実施されている「指定難病制度」がある。これは従来の「特定疾患」56疾患から、2015年1月1日の法施行時に110疾病に、さらに7月には196疾病が追加され、306疾病にまでその対象が拡大されている(現在、更なる対象拡大の検討が進められている)。
本報告では、小児期発症の慢性疾病患者が、小児期のみならず成人期以降も継続して医療費助成を受けられるようにと検討された2つの制度の連携の枠組みと今後の課題について検討したい。