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[P01-01] 心室中隔欠損症患者の肺血流量評価における肺エコーの有用性
キーワード:心室中隔欠損症、肺エコー、B-line
【背景】 近年、肺エコーを用いた肺うっ血の診断に関する報告が増加している。特にコメットサインとも呼ばれるB-lineは肺の間質の余分な水分貯留を示唆しており肺うっ血の際に出現する。一方で左右短絡を伴う先天性心疾患における肺エコーを用いた報告はない。【目的】 左右短絡による肺血流増多をきたした心室中隔欠損症VSDにおいて肺エコーB-lineの出現頻度を調べて、その意義を検討する事。【対象と方法】 2015年7月から12月に当科で肺エコーを施行した肺血流増多を伴うVSD8名:V群(平均年齢1.1歳 平均Qp/Qs 2.1)と健康小児11名:N群(平均年齢2.7歳)を対象とした。肺エコーを施行した機器はEPIQ(Philips)またはVivid7(GE)で、プローブはセクタ型プローブを用いた。両側肺野を各々3領域の計6領域で記録した。1視野のB-lineが3本以上認める場合に陽性として、各症例のB-line陽性領域数及び両側肺野陽性の有無を2群間で比較した。【結果】 平均B-line陽性領域数はV群:4.1+/-1.3 vs N群: 0.5+/-0.8 (p=0.001)、両側B-line陽性例はV群:88% vs N群:18%(p=0.002)と共にV群で有意に多かった。またV群のうち術前に心臓カテーテル検査を施行した5症例の肺動脈楔入圧は9.0+/-1.4mmHgであった。【結論】 高肺血流状態のVSDでは肺動脈楔入圧が上昇していない、または軽度の上昇にとどまる例でも肺エコーB-lineが出現する。