The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

一般心臓病学1

ポスターセッション(P01)
一般心臓病学1

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
葭葉 茂樹(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

P01-01~P01-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P01-02] Fontanに達した無脾症候群の房室弁逆流及び心機能

堀本 佳彦, 浜道 祐二, 桑田 聖子, 小林 匠, 齋藤 美香, 石井 卓, 稲毛 章郎, 中本 祐樹, 上田 知実, 矢崎 諭, 嘉川 忠博 (榊原記念病院 小児循環器科)

Keywords:Fontan、無脾症候群、フォンタン

【背景】無脾症候群(Right isomerism:Riso)は脆弱な共通房室弁のため、強い房室弁逆流(AVVR)を合併しやすい。共通房室弁修復後にFontanに到達した症例も、弁逆流が残存し心機能の低下が予想される。【目的】Fontanに到達したRisoのAVVR及び心機能について検討した。【方法】対象は2010~2015年に心臓カテーテル検査を施行したFontan術後のRiso39例。対照群は同時期に検査を施行したFontan181例。2群間で臨床因子、血行動態因子を比較した。更にII度以上のAVVR例(Riso10例、Non-Riso20例)を除いた187例についても同様に比較・検討した。統計は対応のないt検定及びχ二乗検定を用い、p<0.05を有意差ありとした。【結果】共通房室弁はRiso群で有意に多く(80% vs. 15%)、AVV修復も高率(41% vs. 16%)であった。II度以上のAVVR残存をRiso群で有意に認めた(27% vs. 11%)。心機能はRiso群で有意に心室収縮末期容積(64% vs. 51%)、心室拡張末期容積(125% vs. 106%)は大きかったが、結果的に駆出率低下は認めなかった。圧はRiso群で有意に肺動脈楔入圧が高かった(9.1 vs. 6.9 mmHg)が、心室拡張末期圧に差はなかった。中心静脈圧はほぼ同等で、肺動脈駆動圧はRiso群で有意に低値であった(3.7 vs. 5.3mmHg)。次にAVVRII度以上合併30例を除いたRiso26例、non-Riso161例で同様に比較したが、心室拡張末期容積(120% vs. 103%)、心室収縮末期容積(60% vs. 49%)、肺動脈楔入圧(8.5 vs. 6.7 mmHg)、肺動脈駆動圧(3.7 vs. 5.6 mmHg)で同じく有意差を認めた。【結語】Riso群ではAVV修復の既往が多く、Fontanに到達した後もII度以上のAVVR残存を多く認めた。Riso群は心室の収縮末期容積及び拡張末期容積がnon-Riso群に比べて大きく、肺動脈楔入圧上昇、駆動圧低下を認めた。II度以上のAVVRを除いた検討でもRiso群の心室拡大や駆動圧低下は変わらず、強いAVVR以外の原因で心機能が低下している可能性もある。