The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

一般心臓病学1

ポスターセッション(P01)
一般心臓病学1

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
葭葉 茂樹(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

P01-01~P01-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P01-04] 内科的治療で経過観察している心房中隔欠損症,軽度肺動脈性肺血圧症の13トリソミーの14歳男児

國分 文香, 石井 純平, 有賀 信一郎, 宮本 健志, 坪井 龍生, 有阪 治 (獨協医科大学 小児科)

Keywords:成人先天性心疾患、肺高血圧、13 トリソミー

【背景】近年、未治療の成人先天性心疾患に肺動脈性肺血圧症(PAH)が合併した際に,ボセンタン,シルデナフィルが奏功した報告がある.我々は13トリソミーの長期生存例で右房負荷を伴う心房中隔欠損症(ASD)にPAHを合併した症例を経験したので報告する.【症例】症例は14歳男子.35週,1,950g,緊急帝王切開で出生した.小顎,広い鼻根,耳介低位,右手多指,右胸心がありPAH,ASDを認めた。染色体検査で13トリソミーと診断され挿管抜去困難のため気管切開を施行した.その後外来で経過観察となりてんかん,虫垂炎を発症した.外来経過観察中に咳嗽と血性喀痰と反復性肺炎があり,心エコー図検査では欠損孔21mm,短軸像の心室中隔の形態からの推定右室圧は拡張期にD-shapeを認めた.軽度三尖弁閉鎖不全症を認めた.胸部単純X線写真では心胸郭比60%であった.御両親に心臓カテーテル検査の必要と内科的治療の開始について説明したが,侵襲的な検査は望まずシルデナフィルの内服を開始し,後にボセンタンを追加して心エコー図検査で経過観察とした.現在ボセンタン250mg/日,シルデナフィル 60mg/日の治療で喀血なく経過している.SPO2は97%でdesaturationもない.心エコー図検査では拡張期にD-shapeあり収縮期肺動脈弁閉鎖不全症からの推定平均肺動脈圧は18mmHgである.99mTC-TFによる心臓核医学検査では右室の拡大と血流の障害を認めた.心臓MRI検査ではQp/Qs 3.9であった.【考察・結論】出生時より予後について入念な面談を経て長期生存している13トリソミーに合併したASD,PH症例であった.カテーテル検査の必要性は繰り返しに説明しているが,非侵襲的な検査での加療を希望されており内科的治療で経過観察している.近年、先天性心疾患の未修復術症例のPAHにおいても,温存的な治療のほうが予後がよいという報告もあり,治療法の選択には慎重な判断が求められている病態であると考えられた.