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[P01-05] 当院で経験したMarfan症候群と類縁疾患10例のまとめ
キーワード:Marfan症候群、Loeys-Dietz症候群、Ghent基準
【背景】2010年の改訂Ghent基準では、Marfan症候群(MFS)の診断基準がより明確化され、Marfan類縁疾患の鑑別にも重点が置かれた。1997年11月から2015年12月までに当院で経験したLoeys-Dietz症候群(LDS)1例およびMFS9例の経過からMFSとLDSの診断、臨床像、内服治療について検討し、文献的考察と共に報告する。【結果】LDSの1例はMFSの家族歴と反張膝があり生直後からフォローしていたが、幼児期から著明な動脈の蛇行・拡大があり、ARB, βBlockerの予防投薬をしていた。Ghent基準は満たしていたが、最終身長は正常範囲で水晶体脱臼はなく、眼間解離を認めるが、二分口蓋垂はなかったことから遺伝子検査を行いLDSの診断が確定した。17歳で大動脈解離Type Bを発症して緊急手術を行い、18歳で予防的にDavid手術を行った。MFSの9例もすべて新旧Ghent基準を満たし、1例はInfantile MFSであった。受診契機は体型(学校検診)2例、動脈解離の家族歴6例、心雑音1例であった。Valsalva動脈瘤、身体兆候は全例で、水晶体脱臼は4例で認め、類縁疾患の特徴は認めていない。7例でARBを使用し、うち5例はβ-Blockerを併用した。Infantile MFSの症例では、MRによる心不全にACE-I、スピロノラクトンを使用し、僧帽弁形成術を行った。LDSとMarfan症候群の治療前後でのValsalva径のZ scoreに有意差は無かった【考察・結語】LDSの症例ではValsalva洞径の進行は抑制できていたにも関わらず、成人前に唯一大動脈解離を合併した。Ghent基準はLDSでも満たすことがあり、鑑別には全身の血管の検索が有用であった。