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[P01-06] 同じ心臓の形態異常を有した2組の双胎の例
キーワード:双胎、双胎間輸血症候群、肺動脈狭窄症
【はじめに】双胎で出生する児は単胎の児と比較して先天性心疾患を合併する率は高いが、両児ともに同じ心臓の形態異常を有することは稀である。また双胎間輸血症候群(TTTS)の供血児は受血児に較べて心筋症、肺動脈狭窄症などを合併しやすいことが報告されている。今回、両児ともに同じ心臓の形態異常を有する2組の双胎の例を経験したので報告する。【症例1】母体は35歳0経妊。初期に近医で一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)、第1子の高度子宮内発育遅延と診断された。在胎33週で両児の心疾患が疑われ、在胎34週に当院に紹介された。在胎37週0日、母体の妊娠高血圧症候群発症のため緊急帝王切開となった。出生体重は第1子が1760g(-2.5SD)、第2子が2232g(-1.0SD)であった。出生後の心エコーで両児に両大血管右室起始症、肺動脈閉鎖症を認めた。両児ともに体重増加の後にmodified BTシャント術を施行し、現在外来で管理中である。【症例2】母体は25歳1経妊1経産。初期に近医でMD双胎と診断された。在胎21週にTTTSと診断され、当院産科で胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術を施行しその後両児の不均衡は改善した。在胎24週1日に分娩進行したため緊急帝王切開となった。出生体重は供血児が578g(-0.9SD)、受血児が588g(-0.8SD)であった。出生後の心エコーで両児共に弁性の肺動脈狭窄を認め、肺動脈の最大流速は供血児で4.5m/s、受血児で3.5m/sと高度であった。【考察】MD双胎は両児が同様の遺伝情報を有することで同じ心疾患が生じえると考える。しかし、TTTSは両児間の血流のやり取りで肺動脈弁閉鎖・狭窄が発生すると言われている。症例2はレーザー治療による介入が供血児の心疾患発症に関与したのかもしれない。