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[P02-02] 小児心臓カテーテルにおける高感度心筋トロポニンIの測定意義
Keywords:心臓カテーテル、心筋トロポニン、脳性ナトリウム利尿ペプチド
【はじめに】高感度心筋トロポニンI(TnI)は心筋障害を示唆するマーカーとして小児心疾患の日常診療に使用されているが、その臨床的意義については十分な検討がなされていない。【対象・方法】2012年8月から2015年12月までに当施設で施行した心臓カテーテル検査・治療(心カテ)562件を対象とした。新生児例は除外した。心カテ前後に採血し血漿TnI 、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)を測定した。診断カテ420件(D群)、治療カテ138件(CI群)、心筋生検4件(BI群)に分け、さらにCI群をバルーン形成術34件(B群)、コイル塞栓術52件(C群)、Amplatzer 動脈管閉鎖術23件(ADO群)、Amplatzer心房中隔欠損閉鎖術28件(ASO群)に分けてカテ前後のTnI、BNP値の変化について比較検討した。さらに合併症の有無との関連についても検討した。統計学的手法はpaired Wilcoxon変法、一次元分散分析法を主に用いた。【結果】TnIはD群、CI群、B群、C群、ADO群、ASO群すべてでカテ後に有意に上昇した。BI群も上昇したが、例数が少なく有意差には至らなかった。前後比(%)を比較すると、D群と比較しB群とADO群は有意に高値であったが、C群、ASO群は有意差を認めなかった。一方、BNPはD群ではカテ後に有意な上昇を認めなかった。CI群では有意な上昇を認め、B群、C群、ADO群、ASO群の各群とも有意に上昇した。前後比を比較すると、D群と比較しB群のみが有意に高値であり、CI群、C群、ADO群、ASO群は有意差を認めなかった。TnIとBNPの前後比はいずれの群においても相関関係を認めなかった。D群を合併症(軽症)の有無で二群に分けTnI、BNPの前後比を比較したが有意差を認めなかった。【考察】TnI、BNPは異なる変動を呈した。カテ前後でTnIを測定し比較することで、カテ施行中には意識されない潜在的な心筋障害を把握できる可能性が示唆された。