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[P02-06] 2kg未満で出生し、体重増加を待てずに心臓外科治療を要した児の臨床像
Keywords:低出生体重児、先天性心疾患、外科治療
【背景・目的】先天性心疾患を合併した低「出生体重児では、体重増加を待てずに外科治療が必要となることもまれではない。その要因と臨床経過について検討した。【対象と方法】2010年1月から2015年12月までに出生体重が2kg以下で、A群;心臓外科手術時体重が2kg未満の16例。B群;手術時体重2kg以上の19例に分け、周産期歴、初回手術までの経過、超音波所見、予後を比較検討した。【結果】A群はHLHS/Shone複合9例, Truncus 2例、CoA/IAA、DORV, VSD+CoA,TGA(1)は各1例。B群はVSD5例、AVSD4例、TOF、DORV、PA+VSD、各2例、TGA(1), TGA(3),TA、PAIVS各1例であった。体循環動脈管依存性心疾患がA群:12例(75%)、B群:1例(5%)p<0.001とA群が有意に多かった。81%は心不全、19%は動脈管狭窄により早期外科治療が必要となり、50%の症例で初回に両側肺動脈絞扼術(bil PAB)が行われた。A群bilPAB症例では、71%に肺動脈形成術または左右肺動脈狭窄残存を認めた。(bil PAB 71% vs その他 13%,p =0.04)。B群では肺循環動脈管依存性心疾患(A群:1例(6%)、B群:11例(58%)p=0.001)が有意に多く、奇形症候群・遺伝性疾患合併(A群:2例(12%)、B群:11例(58%),p=0.006)が多かった。出生週数、体重、胎児診断率、房室弁の逆流、EF,PG剤の使用、初回外科治療後1年後の生命予後には両群間に差は無かった。【結論】2kgの心疾患を伴う新生児において、左心系狭窄を伴う体循環動脈管依存性心疾患は体重増加を待てずに外科治療が必要となる傾向にあった。早期の外科治療の成績は良好だが、bilPAB症例は両側の肺動脈の狭窄病変のフォローアップが必要である。