13:50 〜 14:40
[P04-02] 先天性心疾患を合併した7番染色体短腕重複症候群の一例
キーワード:染色体異常、7p重複症候群、複雑心奇形
【背景】7番染色体短腕重複症候群(7p重複症候群)は、極めて稀な染色体異常症であるが、比較的特異的な臨床像を有し、多発外表奇形や複雑心奇形合併の報告が多い。症状や自然歴は7p重複部位により差異がみられ、Zerresらは、dup(7)(7p11→pter)が8例中7例に複雑心奇形を合併したと報告している。今回我々は、複雑心奇形を合併した7p重複症候群dup(7)(7p11→pter)を経験したので報告する。
【症例】母22歳(0経妊0経産)、在胎26週より子宮内胎児発育遅延(-2.1SD)を指摘され精査目的に当科紹介された。胎児心臓超音波検査で完全型房室中隔欠損、両大血管右室起始、肺動脈狭窄、動脈管(依存)と診断した。胎児期にMRI、染色体検査は希望されなかった。在胎37週3日に予定帝王切開で出生、体重2286g(-1.29SD)、Apgarスコアは1分値4点、5分値4点であった。出生後、AVSD , DORV, PS valvular+infundibular moderate, PDA, PLSVC, PHと診断した。幅広い前額部、眼間開離、低い鼻根、耳介低位、小顎症、胸郭低形成、足趾の重なりなどの多発外表奇形を認め染色体検査を施行した。末梢血リンパ球を用いたG分染法ならびにFISH法の結果、染色体核型は20細胞中20細胞で46, XY, der(22)t(7;22)(p11.2;p12)、dup(7)(7p11→pter)であることが判明した。遺伝カウンセリングを含めた両親の染色体検査は希望されなかった。気管軟化症を合併し、人工呼吸器からの離脱に3ヶ月を要した。心疾患については、内科的治療で良好なコントロールを得ていたが、次第に心収縮力低下と酸素化不良を認めるようになった。生後3か月半の時点で、治療方針決定を目的とした心臓カテーテル検査を施行する予定である。
【まとめ】本児の治療方針とその後の経過につき、文献的考察を加えて報告する。
【症例】母22歳(0経妊0経産)、在胎26週より子宮内胎児発育遅延(-2.1SD)を指摘され精査目的に当科紹介された。胎児心臓超音波検査で完全型房室中隔欠損、両大血管右室起始、肺動脈狭窄、動脈管(依存)と診断した。胎児期にMRI、染色体検査は希望されなかった。在胎37週3日に予定帝王切開で出生、体重2286g(-1.29SD)、Apgarスコアは1分値4点、5分値4点であった。出生後、AVSD , DORV, PS valvular+infundibular moderate, PDA, PLSVC, PHと診断した。幅広い前額部、眼間開離、低い鼻根、耳介低位、小顎症、胸郭低形成、足趾の重なりなどの多発外表奇形を認め染色体検査を施行した。末梢血リンパ球を用いたG分染法ならびにFISH法の結果、染色体核型は20細胞中20細胞で46, XY, der(22)t(7;22)(p11.2;p12)、dup(7)(7p11→pter)であることが判明した。遺伝カウンセリングを含めた両親の染色体検査は希望されなかった。気管軟化症を合併し、人工呼吸器からの離脱に3ヶ月を要した。心疾患については、内科的治療で良好なコントロールを得ていたが、次第に心収縮力低下と酸素化不良を認めるようになった。生後3か月半の時点で、治療方針決定を目的とした心臓カテーテル検査を施行する予定である。
【まとめ】本児の治療方針とその後の経過につき、文献的考察を加えて報告する。