The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

染色体異常・遺伝子異常2

ポスターセッション(P04)
染色体異常・遺伝子異常2

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
石戸 博隆(埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科)

P04-01~P04-06

1:50 PM - 2:40 PM

[P04-03] ダウン症候群に伴う先天性心疾患の特徴

倉石 建治1, 田内 宣生1,2, 山田 佑也1, 野村 羊示1, 太田 宇哉1, 西原 栄起1 (1.大垣市民病院 小児循環器新生児科, 2.愛知県済生会リハビリテーション病院)

Keywords:ダウン症候群、先天性心疾患、特徴

【背景】ダウン症候群は40~50%に先天性心疾患(CHD)を合併し、房室中隔欠損症(AVSD)が多いなど様々な特徴がある。しかしその全貌は明らかではない。【目的】ダウン症候群に合併する先天性心疾患について明らかにすること。【対象】2005年4月~2015年8月の間に当科を受診したダウン症候群患者141例。男女比は80対61、初診日は1987~2015年、観察期間は31日~28.4年(中央値9.8年)、最終受診時年齢は38日~36歳10か月(中央値9.9歳)である。【方法】後方視的検討。【結果】小さなASDを除くCHDは83例=59%に認めた。カテーテル治療を含む心臓手術を受けたものは61例=43%(うち開心手術48例=34%)であった。CHDの内訳は延べ数で心室中隔欠損症(VSD)38/83例=46%、動脈管開存症(PDA)35/83例=42%(うちPDA単独17例、自然閉鎖5例、カテーテル治療7例) 、AVSD16/83例=19%(うちフォンタン手術後1例を含む片側心室低形成2例)、心房中隔欠損症(ASD)16/83例=19%(うちASD単独9例)、ファロー四徴症(TOF)7/83例(うち肺動脈閉鎖3例、AVSD合併2例) =8%、大動脈縮窄(CoA)4/83例=5%、二尖大動脈弁4例、両大血管右室起始1/83例=1%、エプスタイン奇形1例で、その他に肺高血圧合併57/83例=69%(うち中等度以上の遺残4/83例=5%)、小さなASD43例(うち自然閉鎖13例、手術なし遺残12例)があった。VSDの部位は漏斗部1例、傍膜様部33例、筋性部3例とほとんどが傍膜様部で、自然閉鎖をうち11例に認めた。CHD関連死は6/83例=7%でうち4例が肺高血圧合併例であった。【考察】当院では今までの報告よりCHDの頻度が高かったが、消化器疾患19例(13%)、白血病5例(3.6%)と他疾患も多かった。一般人口と比較するとCHDの割合はAVSDとPDAとASDが多く、TOFもやや多く、VSDとCoAは同等で、単独の半月弁狭窄や大血管転位はなかった。また、小さなASDを多く認めた。肺高血圧は多いが手術や加齢によりほとんどが消失し、死亡2例を除く遠隔期の遺残は2例であった。