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[P07-05] 産科医院と提携したSTIC法による胎児心エコースクリーニング検査の試み
キーワード:胎児心エコー、スクリーニング、STIC
【はじめに】STIC(spatiotemporal image correlation)法はダイナミックに胎児心臓の動きを多断面表示できる4次元超音波技術で、胎児心エコースクリーニングとして有用である。出生後の診断、治療に制限のある産科医院においては、先天性心疾患の出生前診断の役割は大きい。【対象・方法】対象は2014年1月から2015年12月まで、A産婦人科医院で妊婦検診を行い、STIC法による胎児心エコー検査を希望された妊婦2,560名、胎児2,579名。検査時週数は23週+1日から36週+3日。超音波診断装置はGE社Voluson E6、RAB4-8-D probeを用い、検査技師によるSTICデータ収集後、データを電子媒体にて郵送し、胎児心エコーに精通した3名にてオフラインで解析し結果を返送した。【結果】計3113件のデータ収集を行った。再データ収集は536件で、内訳はデータ収集不良によるものが354件、一部画像不良によるものが141件、疑い所見のためが41件であった。3件がSTIC法で解析不能で、解析者による一次スクリーニングを行い、そのうち1例はVSDであった。STIC法でスクリーニングできた新生児-乳児期に手術を要した疾患は9例、その他18例。スクリーニングできなかった症例は20例で、そのうち1例はCoA complexで新生児期に手術介入を必要とし、19例は現時点まで治療を必要としていないsmall VSDであった。【考察】検査技師の技術向上に伴い、画像不良による再検査は減少し、異常所見の指摘ができるようになった。手術を必要とした疾患の見落としは1例あり、大動脈弓をカラー像のみで判断したためであった。STIC法は胎児心エコースクリーニング検査して有用ではあるが、限界もあり、STIC画像のみでなく動画、ドップラー波形も合わせて記録することで、スクリーニング精度の向上が期待できる。