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[P08-02] 胎児VSDの胎内自然閉鎖例の検討
Keywords:胎児心エコー、胎児VSD、スクリーニング
【はじめに】胎児心エコースクリーニングの普及に伴い、心疾患の胎内診断率は向上しているが、胎児心室中隔欠損症の胎内自然閉鎖についての知見・報告はわずかである。これまで本学会において胎児VSDの胎内自然閉鎖について報告を行ってきたが、症例数を加えて再検討を行った。【対象】秋田県内自治体病院産婦人科にて、妊婦健診を受けている全妊婦。【方法】妊娠確認時または他院産婦人科からの紹介時に胎児心エコー検査の紹介を行い、平成27年以前は希望する妊婦に対し、また平成27年以降は全妊婦に対し、妊娠20週以降に小児循環器医による胎児心エコースクリーニング検査を行った。里帰り出産の症例に対しては妊娠34週以降に初回検査を行った。初回検査は1回5分程度、レベル1の胎児心エコー検査を行い、スクリーニング陽性症例に対しては約1カ月の間隔をあけて2回目の胎児心エコー検査を行った。胎児VSDについてはB-mode, カラードプラ法でいずれも陽性所見を認めた場合に診断した。スクリーニング陽性胎児に対しては出生後全症例に、新生児早期に経胸壁心エコー検査を施行し、最終診断とした。【結果】平成25年5月より平成27年12月までの32か月間に計366検査、計347症例に対し胎児心エコー検査を行った。そのうち里帰り分娩87例、母体心疾患3例、心疾患の家族歴4例。胎児VSDを11例に認めた。胎児VSD症例はいずれも経1-4mmの欠損孔で、一例のみ出生後の心エコー検査でsmall VSDと診断した。それ以外の症例では新生児早期の心エコー検査で異常なく生後1か月健診でも異常を指摘されなかった。【考察】胎児VSDの胎内での自然閉鎖症例について2000年にPaladiniらが、2015年にYuらが報告している。いづれも径3mm以下の胎児VSDの胎内自然閉鎖率は高く、出生後よりも胎内での自然閉鎖率の方が高いと報告している。本検討でも在胎30週未満の胎児VSDは全例自然閉鎖しており、胎内での高いVSD自然閉鎖率が示唆された。