The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

胎児心臓病学4

ポスターセッション(P08)
胎児心臓病学4

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
竹田津 未生(旭川厚生病院 小児科)

P08-01~P08-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P08-05] CTによる血管輪の気管狭窄の評価

川滝 元良1, 金 基成3 (1.東北大学医学部 産婦人科, 2.神奈川県立こども医療センター 新生児科, 3.神奈川県立こども医療センター 新生児科)

Keywords:3DCT、血管輪、気管狭窄

1.目的 胎児診断された血管輪は最近急増しているが、治療方針はいまだ確立されていない。本研究は、胎児診断された血管輪の治療方針について検討することを目的に、当院で最近10年間に出生後診断および胎児診断された血管輪の造影CT所見と気道症状、血管輪の病型との関係を検討した。2.対象 2003年から2014まで12年間に、当院で診断、治療された完全血管輪で造影X線CT検査を行った34例を対象とした。DAAは11例、 RAAは23例であった。3.方法CT画像から血管輪による狭窄部および血管輪より上方の狭窄のない気管内径を測定し、その比(気管内径比)を算出した。4.結果発症群(10例)、非発症群(19例)で気管内径比を比較した。発症群は0.55±0.20 (0.40-0.69)に対し非発症群は0.97±0.06(0.95-1.0)で、発症群が有意に狭窄は高度であった(p<0.001)。DAA(11例)RAA(23例)で気管内径比を比較した。DAAでは0.52±0.21(0.29-0.74)、RAAでは0.91±0.17(0.83-0.98)であり、DAAで有意に狭窄は高度であった(p<0.001)。経過観察した症例の中で2回CTを行った症例が3例あった。初回のCTで軽度の狭窄を認めた2例では、8か月から1年後の経過観察中に明らかに気道症状の悪化し、CT上の気管内径比は狭小化していた。一方、初回に狭窄のまったくなかった症例では1年後の2回目のCTでも狭窄を認めなかった。5.考案 気管狭窄の定量評価を3D構築したCTによって気管の内径比で評価した。その結果、発症群は非発症群に比べて有意に高度の気管狭窄を認めた。特に、新生児期に挿管呼吸管理を要した2例の狭窄の程度は今回検討した症例の中で最も高度であった。文献的にも同様な報告があり、気管の内径比は血管輪の治療方針の決定に有用と考えられる。6.結語CTによる気管狭窄の評価は、臨床症状に合致しており、治療方針決定に有用と思われる。