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[P09-02] 当院における無脾症の予後および予後に関連する因子の検討
Keywords:無脾症、TAPVR、MAPCA
【目的】当院における無脾症の予後を明らかにし、予後に影響する因子を解析すること。【対象と方法】当院で入院管理を行った無脾症患者のうち2005年1月以降の出生例を対症とし、診療録を用いて後方視的に検討を行った。【結果】対象となった患者は73例で、患者背景は男性58.9%、右室性単心室39.7%、肺動脈閉鎖・高度狭窄57.5%、心房以外へのPV還流53.4%だった。全症例の累積生存率は1年71.3%、2年61.8%、BDG到達率は68.8%(2014年12月までの出生例中)、TCPC到達率は60.7%(2014年7月までの出生例中)だった。総死亡29例中、術後在院死亡は16例(55.2%)でうち11例はTAPVR修復術後だった。術後在院死亡以外(13例)の死因は突然死5例、敗血症3例、肺静脈狭窄2例、その他3例だった。死亡時期はBDG前が23例(79.3%)だった。BDG到達症例とBDG前死亡例の比較で有意差を認めたのはMAPCA(p<0.01)とTAPVR修復(p=0.04)で、TAPVR修復症例のうち手術日齢が早い症例で有意に死亡率が高かった。逆にMAPCAとTAPVR修復のいずれもない症例(29例)における累積生存率は1年 88.9%、2年 84.4%と比較的良好で、BDG到達率は92.3%(2014年12月までの出生例中)だった。MAPCA/TAPVR修復がない症例で観察期間中に死亡したのは5例で、死亡時期と死因はBDG前死亡2例(2例とも突然死)、BDG後死亡2例(術後早期死亡1例、退院後敗血症死1例)、TCPC後早期死亡1例だった。死亡した5例は全例男性で、右室性単心室症例が5例中3例、診断時中等度以上の房室弁逆流を認めた症例も5例中3例だった。【結論】生後早期のTAPVR修復が予後不良因子という結果は過去の報告と同様だった。加えてMAPCA症例の予後も極めて不良だった。MAPCA/TAPVR修復のない症例の予後は比較的良いものの男性例では退院後の死亡に注意が必要であると考えられた。