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[P09-04] 無脾症候群Fontan患者における血液リザーブ機構
Keywords:Fontan循環、循環血液量、平均循環充満圧
背景】脾臓の血管床は多大で、その血液プールは、循環危急時の重要臓器への還流を維持するために動員される。一方で、無脾症候群(Asplenia)はこの血液リザーバーが必然的に欠落しているため、通常とは異なった量と分布を示す循環血液と血管床をもち、同症候群に臨床上よく経験する循環変動に対する脆弱性と関係している可能性が考えられる。そこで今回我々は、Aspleniaとそれ以外(Polyspleniaを除く)における循環血液量、充満圧、静脈血行動態をFontan患者で比較検討した。方法】蛋白漏出性胃腸症をのぞいたFontan患者18人(Asplenia8例)における心臓カテーテル検査中のValsalva試験のデータ、心拍出量(CI)をもとに、平均循環充満圧(mCP)、静脈還流抵抗(Rvr)を求めた。さらにIndocyanine greenの濃度変化曲線から循環血液量、循環時間を求めた。 結果】Aspleniaの循環血液量、mCPともに対照群と有意な差を認めなかった(それぞれ82.0 vs. 80.9 ml/kg, 30 vs 29 mmHg)。したがって、静脈Capacitanceにも違いを認めず、さらにCIも有意差なく、Rvrも同等であった。結論】血液プール臓器である脾臓の欠落したAspleniaにおける循環血液量や静脈Capacitanceが、対照群と同等であることを示した今回の結果は、1)Aspleniaにおいても、危急時の血液リザーバー機構が存在すること、2)脾臓プールの大きさを考えると、Aspleniaに特異的な容量の大きな対称肝が、その代償器官である可能性が大きいこと、したがって3)Aspleniaでは他のFontanより肝うっ血から肝障害の合併が高い可能性を示唆し、今後の検証に値すると思われた。