第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

複雑心奇形2

ポスターセッション(P10)
複雑心奇形2

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
鈴木 博(新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター・魚沼基幹病院 小児科)

P10-01~P10-05

13:50 〜 14:40

[P10-05] 左心低形成症候群に対する治療戦略 ーカテーテルインターベンションの重要性ー

葭葉 茂樹1, 小林 俊樹1, 安原 潤1, 趙 麻未1, 小島 拓朗1, 清水 寛之1, 熊本 崇1, 住友 直方1, 鈴木 孝明2, 枡岡 歩2, 宇野 吉雅2 (1.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科, 2.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科)

キーワード:HLHS、CI、Stent

【背景】HLHSに対する治療戦略において,カテーテルインターベンション (CI) は必須である.【目的】HLHS治療におけるCIの位置づけ,重要性を考察する.【対象】当院で,Stage1として両側肺動脈絞扼術 (PABs) を行ったHLHS 24例.大動脈閉鎖 (AA) 13例,大動脈狭窄 (AS) 11例.【結果 予後】(Stage1周術期生存率) : 96%.(Stage2到達率 70,Fontan到達率38,最終生存率 52%) : AA PDA stent群 (43,29,43%),AA PG群 (83,33,33%),AS PDA stent群 (75,63,75%),AS PG群 (100,100,100%).【結果 CI】全症例にCI,計106手技を行った.(Stage1周術期)・PDA stent implantation (SI) : 16例 (67%).・BAS : 16例 (67%).(Inter-stage)・PDA stent balloon dilation (BD) : 6例 (38%).・BAS or IAS stent : 4例 (17%).・RAAO BD : 4例 (17%).・LPA BD : 3例 (13%).・LPA SI : 1例 (33%).・CoA BD : 5例 (50%).・CoA SI 1例 (10%). (Stage2周術期)・LPA BD : 9例 (53%).・LPA SI 4例 (24%).・APC coil emboli 7例 (41%). (Fontan前)・PA BD : 5例 (56%).・APC coil emboli 9例 (100%). (合併症)・PDA stent後大動脈解離 1例.CoA SI中のHeart block,ECMO導入 1例.【考察】・PDA stent留置によりAA群生存率は改善.・Stage1後のPDA血流,心房間交通を保つためのCIは必須.・Inter-stage Norwood後のCoAに対しては積極的なBDが必要.・Stage1数ヶ月後のNorwood術後管理ではLPAの狭窄が問題となる.BD無効例が多くSIが必要.・AA PG群ではStage2到達率は高いが,Fontan到達率は低い.Norwood後の多量のAPCによる心機能低下による.・APCは非常に多く,Fontan前のcoil emboliは必須.【結語】HLHSの治療戦略の中では様々なCIが複数回必要となる.特にPDA,心房間交通,CoA,LPA,APCに対しては積極的にCIを行うことがFontan到達率,生存率向上のための鍵と言える.