18:00 〜 19:00
[P11-02] 積極的にPrimary Norwood手術を選択した治療戦略でのFontan手術到達への手術成績の検討
キーワード:単心室症、フォンタン手術、シャント
【背景・目的】左心低形成症候群の外科治療は近年めざましい進歩を遂げた。初回姑息術として行われる両側肺動脈絞扼術により救命率が向上したものの、その後Fontan手術に至るまで、肺動脈の発育の問題点や複数回の手術介入が必要な点など遠隔期の問題が指摘されている。当院では初回手術として積極的にNorwood手術を行う方針としている。primary Norwood手術からFontan手術までの手術成績を解析し、Norwood手術の有用性を再評価するのが本研究の目的である。
【方法】2004年10月から2014年5月までに左心低形成症候群に対しNorwood手術を受けた連続する16名(男6名:女10名)、手術時日齢平均8日(1-124日)の患者(平均Aristotle Score16.5)を対象とし後方視的解析を行った。
【結果】2例に初回手術として両側肺動脈絞扼術を施行後、2日後、91日後にNorwood手術を施行した。14例にprimary Norwood手術を施行した。Norwood手術の平均人工心肺時間は225±60分、遮断時間88±21分、下半身阻血時間71±16分であった。全例で右室-肺動脈導管を使用した。6例が両方向性グレン手術到達前に、平均132±186日後(10-498)に死亡した。Norwood手術後1年生存率は69%、3年生存率は56%であった。1名が両方向性グレン手術を待機中である。両方向性グレン手術後1.0±0.5年で、9名がFontan手術に到達した(9/16=56%)。Fontan手術までの心臓手術介入回数は平均2.6±0.7回であった。Fontan手術時のPA indexは平均204±90(117-380) mm2/ BSAであった。15番染色体部分欠損の患児1名をFontan手術後5日目に失った。Fontan術後フォローアップ期間6±2.6年での8名の経過は、1例にPLEを認めた他は、7名がNYHA 1度である。
【結語】左心低形成症候群に対し、2例を除く全例でprimary Norwood手術を施行した。56%(9/16)の患者で、少ない心臓手術介入回数で、Fontan手術に到達した。Norwood手術を乗り越えた患者ではFontan手術への手術成績は良好であった。
【方法】2004年10月から2014年5月までに左心低形成症候群に対しNorwood手術を受けた連続する16名(男6名:女10名)、手術時日齢平均8日(1-124日)の患者(平均Aristotle Score16.5)を対象とし後方視的解析を行った。
【結果】2例に初回手術として両側肺動脈絞扼術を施行後、2日後、91日後にNorwood手術を施行した。14例にprimary Norwood手術を施行した。Norwood手術の平均人工心肺時間は225±60分、遮断時間88±21分、下半身阻血時間71±16分であった。全例で右室-肺動脈導管を使用した。6例が両方向性グレン手術到達前に、平均132±186日後(10-498)に死亡した。Norwood手術後1年生存率は69%、3年生存率は56%であった。1名が両方向性グレン手術を待機中である。両方向性グレン手術後1.0±0.5年で、9名がFontan手術に到達した(9/16=56%)。Fontan手術までの心臓手術介入回数は平均2.6±0.7回であった。Fontan手術時のPA indexは平均204±90(117-380) mm2/ BSAであった。15番染色体部分欠損の患児1名をFontan手術後5日目に失った。Fontan術後フォローアップ期間6±2.6年での8名の経過は、1例にPLEを認めた他は、7名がNYHA 1度である。
【結語】左心低形成症候群に対し、2例を除く全例でprimary Norwood手術を施行した。56%(9/16)の患者で、少ない心臓手術介入回数で、Fontan手術に到達した。Norwood手術を乗り越えた患者ではFontan手術への手術成績は良好であった。