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[P11-04] 左心低形成症候群における両側肺動脈絞扼術後PA indexの意義と増加法
Keywords:左心低形成症候群、肺動脈指数、バルーン拡張術
【はじめに】Fontan型手術(F術)を最終到達とする左心低形成症候群及び類縁疾患(HLHS)の予後は未だ良好とは言い難い。しかし、近年の両側肺動脈絞扼術(bPAB)の普及は短期予後の改善に大きく貢献している。当施設では生後間もなくのbPABの後に近接2期手術として生後2週でNorwood手術(NW)、生後4カ月以降に両側Glenn手術(BDG)、F術ではfenestration作製を行う方針としている。本方針において肺動脈指数(PAI)が十分な値を得ることは少ないが、指数が全肺血管床を網羅しているとは考えず参考としてBDG、F術へと進んできた。【目的】PAIが極めて低値であるためにBalloon Dilation(BD)を計画した症例を経験し、本研究ではこの追跡及びbPABの肺動脈発育への影響につき後方視的に検討する。【対象と結果】最近5年間にbPABを施行したHLHS連続29例。BDG到達は22例。両側SVCが4例あった。BDG前のPAIは153±80。100以下が5例(23%)。3例(PAI 177、117、206)で局在性狭窄に対してBAP施行。BDG後死亡は5例(21%)で手術死亡2例はロタ腸炎、心筋症が関与、3例が遠隔死亡。適応外1例を除きF術到達は13例(59%)で1例待機。F術後死亡1例。F術到達例PAI 174±54。【考察】bPABに始まるlow flow strategyは右室性単心室であるHLHSのF術到達に必須であり、PAI増加を求めてQpを増やす事と解離する。一方、fenestration作製によりF術後短期中期的予後の改善は期待できる。本検討ではPAI中央値174と従来のF術適応より低値で到達例し得た。本方針でのBDは、後負荷軽減目的にreCoAを積極的に解除してきたが、肺動脈のPAI低値に対しては両側SVC例を含めGlenn吻合での拡大を図り、局所性のみにBDを施行した。しかし、最近PAI 60以下の症例を経験し、追加シャントでの肺動脈発育では前負荷が増すと考え、導管越しのBDを加えて発育を促す事とした。【今後の方針】NW後カテーテル評価時にPAI 150未満では絞扼部に200%参照径のBDを行う。