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[P12-03] 新しい再構成アルゴリズム"FIRST"を用いた320列area detector CTの臨床的有用性
キーワード:contrast enhanced computed tomography、画像再構成、4次元解析
【はじめに】造影CTは循環器診療において重要な画像診断法である反面、被爆や造影剤の副反応が懸念される。320列 area detector computed tomography (ADCT)は体軸方向に16cmの範囲が、ヘリカルスキャンを必要とせず、全く同じ時相(1回転)で撮影できる。さらに当院では1回転0.275秒の高速撮影と、新しい画像再構成アルゴリズム(FIRST; Forward projected model-based iterative reconstruction solution)の導入により、従来の心電図非同期の撮影方法と同等以下の被ばく線量で1心拍の心電図同期撮影が可能となった。これにより4次元での心機能解析、心血管形態評価を行い、診療に有用な情報を得ることができる様になった。その一例として4次元画像により半月弁の形態評価が可能であった症例を報告する。【症例】4ヶ月女児(体重5488g)、総動脈幹症、大動脈離断、右室低形成の両側肺動脈絞扼術、Norwood手術後。両方向性Glenn手術前の評価目的で入院。心臓超音波検査でtruncal valve regurgitationは重度であったが、超音波画像が不鮮明でtruncal valveの詳細な形態評価や逆流ポイントの同定が困難であった。術前評価目的の胸部造影CTを前述の通り心電図同期で撮影し、4次元画像からtruncal valveの形態評価を行なった。心臓超音波検査の画像に比べ明瞭なtruncal valveの形態評価が可能で、心臓超音波検査の所見と併せ、逆流ポイントの同定が可能であった。【まとめ】新しい再構成アルゴリズムを用いた320列ADCTは体格が小さく頻拍傾向の乳児においても、低被ばくで4次元解析が可能である。