13:50 〜 14:40
[P12-05] 先天性心疾患におけるSeptal Flattening Angleを用いた右室圧推定法の検討
キーワード:Septal Flattening Angle、右室圧、心臓超音波検査
【背景】心臓超音波検査による右室圧推定には、三尖弁逆流の血流速度を用いるのが一般的であるが、逆流量が少なく計測できないことも多い。一方、成人肺高血圧症ではSetpal Flattening Angle(SFA)の測定から右室圧が推定できる可能性が報告されている。SFAは左室短軸像乳頭筋レベルの3点abcを取った時の∠abcの角度で、a:中隔壁右室側の中央点、b:両心室の心外膜接点の右側、c:両心室の心外膜接点の左側、である。先天性心疾患においてSFAの有用性を検討した報告はない。
【目的】先天性心疾患における右室圧推定法として、SFAの有用性を検討する。
【方法】根治術施行前の心室中隔欠損症(VSD)50例を疾患群、冠動脈病変のない川崎病遠隔期15例を対照群とし、それぞれ診療録から後方視的に検討した。SFAは心臓超音波検査の記録動画を参照し、左室短軸像乳頭筋レベルにおける収縮末期での∠abcの角度を測定した。VSD群は心臓カテーテル検査での右室圧(Prv)、体血圧(Ps)の記録からPrv/Psを算出し、Prv/PsとSFAの相関についてPearsonの積率相関係数を用いて解析した。
【結果】対照群はSFA 26.3±5.00度、VSD群はSFA 23.1±7.10度、Prv/Ps 0.494±0.245であった。SFAはVSD群の方が浅い傾向にあり、ばらつきが大きかった。SFAとPrv/Psの間には、中等度の相関を認めた(r=0.531, p<0.0001)。
【考察】VSD症例においもSFAは右室圧を推定するのに有用な指標となる可能性が示唆された。SFAに類似する右室圧推定法として、左室短軸像乳頭筋レベルにおける心室中隔の圧迫の程度を評価することが多い。これは簡便である一方、非常に主観的な評価法であり、SFAのように定量化することでより正確な評価に繋がる可能性がある。
【結論】VSD症例においてもSFAは右室圧と相関し、右室圧推定法として有用な指標となり得る。
【目的】先天性心疾患における右室圧推定法として、SFAの有用性を検討する。
【方法】根治術施行前の心室中隔欠損症(VSD)50例を疾患群、冠動脈病変のない川崎病遠隔期15例を対照群とし、それぞれ診療録から後方視的に検討した。SFAは心臓超音波検査の記録動画を参照し、左室短軸像乳頭筋レベルにおける収縮末期での∠abcの角度を測定した。VSD群は心臓カテーテル検査での右室圧(Prv)、体血圧(Ps)の記録からPrv/Psを算出し、Prv/PsとSFAの相関についてPearsonの積率相関係数を用いて解析した。
【結果】対照群はSFA 26.3±5.00度、VSD群はSFA 23.1±7.10度、Prv/Ps 0.494±0.245であった。SFAはVSD群の方が浅い傾向にあり、ばらつきが大きかった。SFAとPrv/Psの間には、中等度の相関を認めた(r=0.531, p<0.0001)。
【考察】VSD症例においもSFAは右室圧を推定するのに有用な指標となる可能性が示唆された。SFAに類似する右室圧推定法として、左室短軸像乳頭筋レベルにおける心室中隔の圧迫の程度を評価することが多い。これは簡便である一方、非常に主観的な評価法であり、SFAのように定量化することでより正確な評価に繋がる可能性がある。
【結論】VSD症例においてもSFAは右室圧と相関し、右室圧推定法として有用な指標となり得る。