ポスターセッション（P13）
画像診断2

[P13-01] ファロー四徴症術後の肺動脈弁逆流評価におけるMRIと心エコーの比較～心エコーのどの診断基準が有用か～

^○村岡 衛¹, 山村 健一郎¹, 川口 直樹¹, 寺師 英子¹, 鵜池 清¹, 中島 康貴¹, 平田 悠一郎¹, 森鼻 栄治¹, 坂本 一郎², 帯刀 英樹³, 塩川 祐一³ (1.九州大学病院 小児科, 2.九州大学病院 循環器内科, 3.九州大学病院 心臓血管外科)

キーワード：肺動脈弁逆流、ファロー四徴症術後、MRI

【背景】ファロー四徴症の術後の肺動脈弁逆流は右心不全・心室性不整脈・突然死の原因となり、再手術の適応決定に重要である。MRIは定量的な逆流評価ができゴールドスタンダードとされるが、検査制限や金属アーチファクトのため評価ができない場合もある。心エコー検査は簡便に行うことができ、下記に示すような様々な評価法が有用であることが報告されているが、各種評価法の有用性を横断的に比較検討した報告は少ない。【目的】心エコーにおける従来知られている肺動脈弁逆流の重症度の基準とMRIにおける肺動脈弁逆流率の相関を横断的に検討し、心エコーにおける有用な評価法を明らかにすること。【方法】2011年1月から2015年12月までにファロー四徴症術後(肺動脈弁置換後を含む)の患者で当院にてMRIおよび同時期に心エコーを実施された57例（51名：31±12歳、男性26名、女性25名）について、MRIにおけるpulmonary regurgitant fraction(PRF) と、心エコーでのPR jet/annulus ratio、Pressure Half Time(PHT)、逆流の発生位置、逆流の到達距離、PR index の相関を、診療録を元に後方視的に検討した。【結果】MRIのPRFと、心エコーにおけるPR jet/annulus ratio (r＝0.604, P＜0.0001)、逆流の発生位置(r＝0.708, P＜0.0001) 、逆流の到達距離 (r＝0.604, P＜0.0001)に有意な相関がみられた。PHT (r＝－0.460, P＝0.0080）、PR index(r＝－0.065, P＝0.72)には有意な相関みられなかった。弁置換の基準となるPRF 40%以上と40%未満の群の比較では、逆流の発生位置(P＝0.0039)、逆流の到達距離(P＝0.0103)で2群間に有意差がみられ、判別に有用と考えられた。【結語】心エコーにおける肺動脈弁逆流の評価基準は、MRIと相関があり、弁置換の判断の一助になりうると思われた。各種評価法の有用性を理解し日常診療に活かすことが重要と考えられた。