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[P13-03] 当院で経験した冠動脈奇形・走行異常の診断と管理(冠動脈瘻,ファロー四徴根治術,Jatene手術,Ross手術例を除く)
Keywords:画像診断、冠動脈奇形、冠動脈走行異常
【背景】冠動脈奇形・走行異常は,以前は突然死の剖検例中心に報告された.近年,非侵襲的画像診断法と複雑心奇形への外科治療の進歩により,孤立性ないし他の先天性心疾患(CHD)合併例の診断と管理が問題となる.【目的】冠動脈奇形・走行異常の臨床像を検討すること.【方法】対象期間は2010年1月から2015年12月.【結果】症例は孤立性(I群)3例,CHD合併群(C群)4例.I群の診断はRCA起始異常1例,LCA異常2例.診断年齢/診断の発端は,生後4か月/偶然機会のエコー,1歳/川崎病精査のCAG,25歳/不整脈精査のCT.25歳のLCA起始異常例は,13歳時からの非特異的胸痛を認め冠動脈造影では確定診断されず,25歳時に多列CTにて確定診断され手術介入を行った.他の虚血所見のないRCA異常1例(interarterial: IA)とLCA異常(non-IA)1例は無治療で経過観察している.C群の症例1はHigh takeoff LCAのDKS術後に労作時胸痛を認めた13歳例.多列CTにてLCAがDKS吻合部に圧迫され狭窄をきたしていた.運動負荷テストでは,虚血所見認めず,硝酸剤の内服と運動制限により胸痛なく管理されている.症例2はRCA起始異常(IA)を伴ったVSDで閉鎖術直後に心収縮低下既往がある2歳例.心収縮は徐々に改善したが術後1年に心機能評価のため施行した冠動脈造影・Dual Sourse CT(DSCT)にてRCA異常が診断された.症例3はHigh takeoff RCAのDKS術前症例.0.5歳時のDKS術前の冠動脈造影・DSCTで診断.DKS吻合部を頭側にとることで圧迫を予防できた.症例4はLCA右肺動脈起始のノルウッド/グレン術前症例.0.3歳時の術前の心血管造影検査で診断.LCAをneo-AO側に残すことで冠血流に問題を来さなかった.【結語】診断目的の心血管造影検査の機会が減少する中,冠動脈CTは,乳幼児も含めた孤立性ないし他のCHD(日頃診療で問題となるFallot四徴,Jatene術後,Ross術後以外でも)に伴う冠動脈奇形・走行異常の診断と診療方針決定に有用と考えた.