第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

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ポスターセッション(P13)
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2016年7月6日(水) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
唐澤 賢祐(日本大学医学部附属板橋病院 小児科)

P13-01~P13-07

18:00 〜 19:00

[P13-04] cMRIで心室容積曲線を描く

大森 大輔1, 大橋 直樹1, 西川 浩1, 福見 大地1, 吉田 修一朗1, 鈴木 一孝1, 山本 英範1, 武田 紹1, 櫻井 一2, 櫻井 寛久2 (1.中京病院中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.中京病院中京こどもハートセンター 心臓血管外科)

キーワード:cMRI、心室容積、心室容積曲線

【緒言】PR右室拡大症例やRVEDPの高い症例では,心室中隔奇異性運動が目立つ。そのような症例のLVEDViは低値となり,治療により改善をみることは成人TOFの領域を中心に証明されてきた。しかし,エコーBモードでみる中隔奇異性運動とLVのつぶれた様子は最大拡張期のみではない。にもかかわらず,時間的な画像変化はエコーMモードの評価にとどまっている。カテーテルによる心電図-圧波形変化と同様に,cMRI心電図-容積波形変化を日常臨床に使用できないか検討した。
【方法】当センターでは,R-R時間の前から30% 後ろから20%を除いた50%を30分割してシネ画像を撮影している。心室容積評価には,スライス厚を小児6mm成人8mmにした短軸シネ画像を撮る。撮影時は医師が同席し,MRI装置のR波認識,RR不整の有無,息止めによる心拍数変化に対するHRの認識を直接確認することにしている。心室容積を全時相で計測すればソフトウェアに容積曲線が自動表示されるが,この曲線のゼロ点は「R波からRR×30%」になるため,同一人物の曲線でも比較は難しい。AZEにはR波をゼロ点にする機能がないため,手動で,撮影時のRR間隔msecを計算しExcelを使って再プロットした。
【結果】手術前後でcMRIをおこない上記方法で容積曲線を描いた5例につき,術前後の曲線変化を比較した。左室と右室で最小容積になる時間がずれる様子と,中隔奇異性運動がみられる時相での曲線変化が認められた。なお,心電図上の術前後QRS変化はない。
【考察】この評価を言語化・数値化につなげ,さらに,臨床に有用化することが今後の課題である。臨床的に機能していない右室が,収縮拡張の定かならぬギザギザ波形を呈する症例も経験しており,評価(表現)方法のひとつとして有用と考える。まず,初期段階として自動計算プログラムの作成は容易であり足がかりとしたい。