The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

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ポスターセッション(P14)
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Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
神山 浩(日本大学医学部 医学教育企画・推進室)

P14-01~P14-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P14-03] 小児における僧帽弁位人工弁の心エコーによる評価―人工弁狭窄を見逃さないために―

林 泰佑1, 犬塚 亮2, 真船 亮1, 浦田 晋1, 金子 正英1, 三崎 泰志1, 小野 博1, 賀藤 均1 (1.国立成育医療研究センター 循環器科, 2.東京大学医学部附属病院 小児科)

Keywords:僧帽弁、人工弁、心エコー

【背景】僧帽弁位人工弁(PMV)の機能不全の評価には、ドップラによる人工弁血行動態指標の計測が有用で、成人における基準値が設定されている。成長により人工弁のサイズが相対的に変化する小児では、血行動態指標の解釈が難しい。
【目的】小児におけるPMVのドップラによる血行動態指標の、体表面積(BSA)で補正したPMVのサイズとの相関を明らかにし、人工弁狭窄の診断における有用性を探る。
【方法】小児のPMV 15例に行われた26回の心エコー検査を後方視的に検討した。うち2回の検査で人工弁狭窄を認め、再置換術が施行された。検査時年齢は6.6(0.6-18.1)歳。PMVサイズは16~25 mmで、BSAによる僧帽弁輪径の基準値からz値を算出した。血行動態指標としてPMV通過血流のE波速度、平均圧較差、圧半減時間(PHT)、PMVと左室流出路の血流VTI比、連続の式から算出したPMVの有効弁口面積をBSAで除した値(iEOA)を計測し、人工弁機能が正常の24例について、PMVサイズのz値との相関を調べた。また、人工弁狭窄の2例について、血行動態指標の予測値と比較した。p値<0.05を統計学的に有意とした。
【結果】機能正常のPMVの血行動態指標は、全てPMVサイズのz値と有意に相関があった(相関係数:E波速度 -0.68, 平均圧較差 -0.71, PHT -0.82, VTI比 -0.76, iEOA 0.79)。多変量解析では、PHTとiEOAが独立にPMVサイズのz値と相関した。人工弁狭窄の両例で、PMVサイズから予測される値の±2×標準誤差の範囲を逸脱していた血行動態指標はiEOAのみであった。
【結論】iEOAはPMVサイズのz値と強く相関する。iEOAの計測値が、BSAで補正したPMVサイズに基づく予測値の-2×標準誤差を下回ることは、人工弁狭窄を疑う手掛かりとなる。