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[P15-02] 小児冠動脈CT撮影におけるβ遮断薬の至適投与法の検討
Keywords:小児冠動脈CT、川崎病、β遮断薬
背景】小児冠動脈CT撮影においては心拍コントロールは重要だが、β遮断薬(以下β)の至適投与量・投与方法の検討はなされていない。【目的】小児冠動脈CT撮影のβ投与量・投与方法、画質と実効線量について検討する。【方法】対象は2009-2015年までに当院で冠動脈CT撮影を行った冠動脈障害を合併した15歳未満の川崎病既往の78例である。撮影機器はAcquilion ONETM(Toshiba)を用い、全例でイオベルソール320mgI/mlを用いて造影した。βは全例に経口投与(メトプロロールまたはアテノロール)を行い、心拍数の良好なコントロールを得られない場合は経口および静脈投与(ランジオロール)の追加投与を行った。非追加群(N群;n=42)、経口追加群(O群;n=20)、静注追加群(IV群;n=16)の3群に分類し,それぞれの群間において画質・心拍数および被曝線量を比較し、βの至適投与量・投与方法について検討した。画質は評価に不十分なものから各冠動脈枝末梢まで評価可能な造影が得られたものまで1~5点の5段階スケールで評価した。【結果】各群のβ初期投与量はN群;0.8±0.2mg/kg,O群;0.8±0.2mg/kg,IV群;0.7±0.2mg/kgで各群に有意差はなかった。年齢・撮影時心拍数・画質・被曝線量はそれぞれN群;8±4.5歳, 69±17回/分,3.9±1.1点,2.4±1.3mSv、O群;10±3.6歳, 70±10回/分,4±0.9点,3.6±3.4mSv、IV群;9.3±3.3歳,70±14回/分,4.2±1.1点, 3.6±3.4,2.1±0.9mSvであり、各群に有意差を認めなかった。しかし年齢別での検討では4-14歳において画質に有意差はないが、被曝線量がIV群において有意に低い傾向が示された。0-3歳は総数11例で全て画質3点以下であった。【結語】小児冠動脈CT撮影では平均β初期投与量0.8±0.2mg/kgの投与で良好な画質が得られる。β静注追加を行うと被曝線量の低減が期待できる。一方で3歳以下の基礎心拍数の高い症例ではβ追加投与の効果は内服・静注ともに限定的である。