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[P15-03] Dual-Energy CTを用いて評価した術後肺動脈狭窄の2例 ~ Lung Perfused Blood Volume Imagingによる肺血流評価 ~
キーワード:小児、DECT、Lung PBV
【背景】Dual Energy CTを用いた,Lung Perfused Blood Volume Imaging(Lung PBV)は成人領域では急性肺動脈血栓塞栓症の画像診断として,近年報告が散見される.しかし,先天性心疾患術後肺動脈狭窄に対するLung PBVの報告はない.今回,術後肺動脈狭窄2例に対しLung PBVを施行したので報告する.【症例・方法】症例1:9歳男児.PA/VSD,MAPCA,7歳にUF,VSD closure,RVOTR,8歳にPalliative Rastelli施行.術後肺動脈狭窄に対しPTA,LPA stentingを施行.肺血流と肺動脈の形態の同時評価を企図しLung PBVを施行.症例2:3歳女児.TA(Ib),生後26日にrt.mBTS,5ヵ月にBDG,2歳にTCPC施行.肺血流と肺動脈の形態の同時評価を企図しLung PBVを施行.2症例ともに肺血流シンチの画像所見と比較した.CT装置は128スライスSOMATOM Definition Flashを用い,症例1は100kVと140kV,症例2は80kVと140kVの異なる管電圧2種類で同時に撮影した.【結果】症例1:Lung PBVでは右上肺野および左下肺野の血流低下を認めた.肺血流シンチでも同部位の血流低下を認めた.造影CT検査による被ばく線量はDLP 289mGy・cm,実効線量3.8mSvであった.症例2:Lung PBVでは右上肺野の血流低下を認めた.肺血流シンチでも同部位の血流低下を認めた.造影CT検査による被ばく線量はDLP 55mGy・cm,実効線量1.4mSvであった.【考察・結論】当院で2012~2014年の2年間に施行された肺動脈狭窄に対する造影CT症例の平均被ばく線量は1.08±1.11mSvであった.Dual Energy CTを用いたLung PBVは被ばく線量の増加を最低限に抑えながら,先天性心疾患術後肺動脈狭窄に対し,肺動脈狭窄の形態評価として行う造影CTと同時に肺血流評価が可能であった.