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[P15-04] 先天性心疾患児における胸郭の形態変化と肺静脈狭窄との関連
Keywords:肺静脈狭窄、胸郭の成長、造影CT
【背景】先天性心疾患児において、しばしば肺静脈狭窄(PVS)が問題となる。総肺静脈還流異常に伴うもののほかに、椎骨、下行大動脈、心房に肺静脈が挟まれる形のPVSがしばしば認められ、特に単心室血行動態の児において、肺血管抵抗の上昇、左右肺循環のアンバランスなどを生じ問題となる。また胸郭は出生時は縦長の形態をするが、年齢とともに横方向に長い楕円形と変化する。胸郭の年齢に伴う形態変化と、血行動態、心形態が関与し、圧迫によるPVSが生じてくるものと考えられるが、これらの関連について言及した報告は少ない。【方法】当院にて胸部造影CT検査を行った先天性心疾患児のべ167例について、造影CTで下行大動脈(dAo)の同側の下肺静脈がdAo前方を横切る断面でのスライスを用い、胸郭横径(TD) 胸骨-椎体径(SVD)、Cardiac Axis、心胸郭断面積比(CTAR)を計測した。また臨床上あるいは画像上心房と下行大動脈、椎体で肺静脈狭窄(PVS)が認められた群(PVS(+)群)とPVS(-)群について検討した。【結果】年齢とともにSVD/TDは低下した。特に乳児期前半の変化率が大きかった。PVS(+)群は 乳児期早期、乳児期中後期ともにSVD/TDが有意に低値であった(p<0.05,p<0.001)。またCardiac axisはPVS(+)群が有意に高値を示した(p<0.01)。CTARとPVSとの関連は認められなかったが、PVS(+)群の中で、Glenn手術などの容量負荷軽減する介入で、PVSの改善が認めらる例も多く、容量負荷もPVSの一因子と考えられた。【結語】胸郭の上下方向の発育不良、高いCardiac axis、容量負荷は 物理的圧迫によるPVSの因子となりうる。形態的にPVS進行の危険性がある例は、容量負荷の少ない治療計画や胸郭の発育にも留意しながら管理するべきと考えられた。