13:50 〜 14:40
[P15-05] 右側相同における気管狭窄の頻度と長期予後への影響
キーワード:右側相同、気管狭窄、肺静脈狭窄
【目的】右側相同では心臓と大血管との解剖学的位置関係による気管狭窄を合併する可能性があり、それが治療戦略や生命予後に及ぼす影響について検討した。
【方法】対象は2004年9月から2016年1月までに右側相同と診断され、かつ胸部造影CT検査を行った28例。気管径が中枢側より末梢側が拡大しているものを気管狭窄と診断した。肺野条件にて低吸収域かつ肺容積が膨張していると判断したものを肺気腫と診断した。また、肺静脈狭窄の合併及び生存の有無も確認した。生命予後への影響はLogrank検定で解析した。
【結果】男児 14名、女児 14名。心疾患の内訳は右室型/左室型単心室 27/1名、総肺静脈還流異常 15名(上心臓型 6名、傍心臓型 6名、下心臓型 3名)だった。胸部造影CT検査実施した月齢の中央値は6だった。観察期間の月齢の中央値は70だった。28例中5例(17.9%)において気管狭窄の合併を認めた。肺気腫を4名(14.3%)において認めたが、全例気管狭窄を合併していた。気管狭窄合併例では同側の肺静脈狭窄の合併が多かった。(60% vs 8.7%,P=0.0005)。全体のFontan手術到達率は50%であったが、気管狭窄合併例では1名(20%)のみFontan手術に到達した。生命予後は気管狭窄合併例と非合併例とでは変わらなかった。(P=0.405)
【考察】右側相同の約20%に気管狭窄を認め、その多くが肺気腫を引き起こしていた。気管狭窄の有無によって生命予後に差を認めなかったが、Fontan手術への到達には難渋する傾向を認めた。肺静脈狭窄と気管狭窄は合併することが多く、肺静脈狭窄解除を行う際は、術後の換気血流比不均衡を避けるために同時に気管狭窄に対する介入も検討するべきと思われた。
【方法】対象は2004年9月から2016年1月までに右側相同と診断され、かつ胸部造影CT検査を行った28例。気管径が中枢側より末梢側が拡大しているものを気管狭窄と診断した。肺野条件にて低吸収域かつ肺容積が膨張していると判断したものを肺気腫と診断した。また、肺静脈狭窄の合併及び生存の有無も確認した。生命予後への影響はLogrank検定で解析した。
【結果】男児 14名、女児 14名。心疾患の内訳は右室型/左室型単心室 27/1名、総肺静脈還流異常 15名(上心臓型 6名、傍心臓型 6名、下心臓型 3名)だった。胸部造影CT検査実施した月齢の中央値は6だった。観察期間の月齢の中央値は70だった。28例中5例(17.9%)において気管狭窄の合併を認めた。肺気腫を4名(14.3%)において認めたが、全例気管狭窄を合併していた。気管狭窄合併例では同側の肺静脈狭窄の合併が多かった。(60% vs 8.7%,P=0.0005)。全体のFontan手術到達率は50%であったが、気管狭窄合併例では1名(20%)のみFontan手術に到達した。生命予後は気管狭窄合併例と非合併例とでは変わらなかった。(P=0.405)
【考察】右側相同の約20%に気管狭窄を認め、その多くが肺気腫を引き起こしていた。気管狭窄の有無によって生命予後に差を認めなかったが、Fontan手術への到達には難渋する傾向を認めた。肺静脈狭窄と気管狭窄は合併することが多く、肺静脈狭窄解除を行う際は、術後の換気血流比不均衡を避けるために同時に気管狭窄に対する介入も検討するべきと思われた。