18:00 〜 19:00
[P16-01] 小児期大動脈弁閉鎖不全に対する外科的介入至適時期の検討
キーワード:大動脈弁閉鎖不全、左室予備能、LVESD
【背景】大動脈弁閉鎖不全(AI)に対する介入は左心室の予備能が保たれている期間に行う必要がある。2014年にAHA/ACCより出されたガイドラインでは左室予備能を推定する代表的指標として左室内径(LVEDD, LVESD)やLVEFが示されている。しかし、小児における至適介入時期についてのエビデンスは未だ乏しい。
【目的】小児におけるAIの臨床像と介入前後での左室予備能の変化を明らかにし、小児期AIに対する至適な介入時期について検討すること。
【方法】対象;2001年1月~2015年12月に当院で手術介入を行った18歳未満のAI患者32例(男21/女11)。年齢:10.4±4.6歳(mean±SD)。基礎疾患:ASR14, AR6, dTAG5, 他7。術式:AVP8, AVR13, Ross11。術前のAI-grade内訳:2度8/ 3度24。観察期間:3.8±1.4年。術前、1年後、3年後および5年後における心臓超音波と心臓カテーテル結果を後方視的に検討し、ESDI(=LVESD/BSA)、EDDI(=LVEDD/BSA)、LVEF の継時的変化を解析。
【結果】1)ESDI;1年後にESDIが正常化した群と正常化しなかった群の術前ESDIの比較:正常化群 26.3±5.8, 非正常化群 37.8±8.7 (p=0.005)、cut-off=34.3(AUC=0.898)で1年後のESDI改善を高い精度で予測できた。3年後までに正常化した群と非正常化群との術前ESDI cut-off値は31.4(AUC=0.839)であった。2)EDDI;1年後にEDDIが正常化した群と非正常化群の比較:正常化群 39.0±6.0, 非正常化群 64.2±18.0 (p=0.003)。Cut-off値は50.9(AUC=0.894)であった。3年後にEDDIが正常化した群と非正常化群の術前EDDI cut-off値は51.6(AUC=0.844)であった。3)LVEF;術前LVEF値からは左室機能の術後正常化を予想することは出来なかった。
【結語】術前ESDIやEDDIは小児期AIに対するAVI後比較的早期の左室機能改善を予測する予備能の指標として有用と考えられる。
【目的】小児におけるAIの臨床像と介入前後での左室予備能の変化を明らかにし、小児期AIに対する至適な介入時期について検討すること。
【方法】対象;2001年1月~2015年12月に当院で手術介入を行った18歳未満のAI患者32例(男21/女11)。年齢:10.4±4.6歳(mean±SD)。基礎疾患:ASR14, AR6, dTAG5, 他7。術式:AVP8, AVR13, Ross11。術前のAI-grade内訳:2度8/ 3度24。観察期間:3.8±1.4年。術前、1年後、3年後および5年後における心臓超音波と心臓カテーテル結果を後方視的に検討し、ESDI(=LVESD/BSA)、EDDI(=LVEDD/BSA)、LVEF の継時的変化を解析。
【結果】1)ESDI;1年後にESDIが正常化した群と正常化しなかった群の術前ESDIの比較:正常化群 26.3±5.8, 非正常化群 37.8±8.7 (p=0.005)、cut-off=34.3(AUC=0.898)で1年後のESDI改善を高い精度で予測できた。3年後までに正常化した群と非正常化群との術前ESDI cut-off値は31.4(AUC=0.839)であった。2)EDDI;1年後にEDDIが正常化した群と非正常化群の比較:正常化群 39.0±6.0, 非正常化群 64.2±18.0 (p=0.003)。Cut-off値は50.9(AUC=0.894)であった。3年後にEDDIが正常化した群と非正常化群の術前EDDI cut-off値は51.6(AUC=0.844)であった。3)LVEF;術前LVEF値からは左室機能の術後正常化を予想することは出来なかった。
【結語】術前ESDIやEDDIは小児期AIに対するAVI後比較的早期の左室機能改善を予測する予備能の指標として有用と考えられる。