18:00 〜 19:00
[P16-06] 静脈還流曲線と時変エラスタンスモデルの融合による心室圧容積関係推定の新しい方法
キーワード:心室圧容積関係、静脈還流曲線、時変エラスタンスモデル
【背景】心室収縮期末期圧容積関係(ESPVR)の傾き(Ees)は心室固有の収縮性の指標として,後負荷との統合関係や心拍出量変動の推定に非常に有用な指標である.しかしながら,その算出には煩雑な計測システムと解析アルゴリズムを要し,一般臨床での汎用には至っていない.今回我々は,静脈還流曲線と時変エラスタンスモデルを融合させることにより,汎用可能な斬新なESPVR算出方法を考案したので報告する.
【方法】心臓カテーテル検査においてValsalva試験前後の大動脈圧と中心静脈圧の変化の比から,循環停止時の血管内圧である平均循環充満圧(mCP)を算出した.平均循環充満圧時の心室内容積をVo’とするとmCP/Vo’=Eesが成り立つ.更に,ESPVRの式 Pes=Ees(Ves-Vo)において実測の収縮末期圧(Pes),収縮末期容積(Ves),EesにmCP/Vo’を代入し,循環停止状態ではVo(Unstressed volume)はVo’と同等と考えられることを利してVo,およびEesを算出した.Eesは下大静脈閉鎖時の実測Eesと比較した.
【結果】1例として,血圧(Pes)=80mmHg, 収縮期心室容積(Ves)=40ml,mCP =20の症例においては、80=20/Vo(40-Vo)からVo=13.3ml,Ees=1.5mmHg/mlと容易に求めることができる.本方法論におけるEesは血圧変化の大きく信憑性のある4症例で実測Eesと非常に良好な相関を示した(r=0.94).
【結論】カテーテル検査における心室容積の計測と血圧の測定,Valsalva法によるmCPのみから簡便かつ正確にESPVRが算出可能である.mCPは末梢静脈圧の駆血圧からも精度よく推定可能であるため,カテーテル検査なしでも,血圧測定と,末梢静脈圧測定,超音波やMRIによる心室容積の測定から,外来ベースで簡便,かつ正確にESPVRの算出が可能で,ESPVRの日常臨床への汎用を可能とする斬新な方法論である.
【方法】心臓カテーテル検査においてValsalva試験前後の大動脈圧と中心静脈圧の変化の比から,循環停止時の血管内圧である平均循環充満圧(mCP)を算出した.平均循環充満圧時の心室内容積をVo’とするとmCP/Vo’=Eesが成り立つ.更に,ESPVRの式 Pes=Ees(Ves-Vo)において実測の収縮末期圧(Pes),収縮末期容積(Ves),EesにmCP/Vo’を代入し,循環停止状態ではVo(Unstressed volume)はVo’と同等と考えられることを利してVo,およびEesを算出した.Eesは下大静脈閉鎖時の実測Eesと比較した.
【結果】1例として,血圧(Pes)=80mmHg, 収縮期心室容積(Ves)=40ml,mCP =20の症例においては、80=20/Vo(40-Vo)からVo=13.3ml,Ees=1.5mmHg/mlと容易に求めることができる.本方法論におけるEesは血圧変化の大きく信憑性のある4症例で実測Eesと非常に良好な相関を示した(r=0.94).
【結論】カテーテル検査における心室容積の計測と血圧の測定,Valsalva法によるmCPのみから簡便かつ正確にESPVRが算出可能である.mCPは末梢静脈圧の駆血圧からも精度よく推定可能であるため,カテーテル検査なしでも,血圧測定と,末梢静脈圧測定,超音波やMRIによる心室容積の測定から,外来ベースで簡便,かつ正確にESPVRの算出が可能で,ESPVRの日常臨床への汎用を可能とする斬新な方法論である.