The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

心臓血管機能2

ポスターセッション(P17)
心臓血管機能2

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
高橋 健(順天堂大学医学部 小児科・思春期科学教室)

P17-01~P17-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P17-01] 拡張型心筋症を合併した糖原病Ib型の乳児例

竹蓋 清高, 高橋 一浩, 桜井 研三, 差波 新, 鍋嶋 泰典, 中矢代 真美 (沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児循環器内科)

Keywords:左室緻密化障害、糖原病、MYBPC3変異

【背景】I型糖原病は,肝臓,腎臓,腸管に多量のグリコーゲンが蓄積し,低血糖と肝腫大が出現する先天性代謝異常である.さらに,Ib型では顆粒球減少と易感染性が見られるが心筋症を合併することはほとんどない.今回,我々は遺伝子診断されたIb型糖原病の乳児に左室緻密化障害による拡張型心筋症を合併したので報告する.
【症例】在胎38週,2805gで出生の女児.生後早期より低血糖,高乳酸血症を認め,前医での遺伝子検査でSLC37A4遺伝子変異を認め,糖原病Ib型と確定診断された.特殊ミルクとコーンスターチで管理されたが血糖のコントロールには難渋した.生後9ヶ月から多呼吸と哺乳時の発汗など心不全症状を認めるようになり当院に紹介.心臓超音波検査にて,左室緻密化障害,左室収縮能低下(EF 40%)を認めた.遺伝子検査にてMYBPC3遺伝子変異を認め確定診断した.抗心不全療法にもかかわらず,心機能低下,心不全の改善を認めないため,肝移植は適応外とされた.その後も感染を契機に心不全が悪化し,1歳4ヶ月時に気道感染時に心不全の急性増悪を認め死亡した.
【考察】糖原病に合併した左室緻密化障害は1つあるが,遺伝子診断されたのは本症例が初めてである.両疾患の原因遺伝子座位がいずれも11番染色体であることは,本症例における両疾患合併のetiologyを考えるうえで興味深い.