The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

カテーテル治療1

ポスターセッション(P18)
カテーテル治療1

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
小林 俊樹(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

P18-01~P18-05

1:50 PM - 2:40 PM

[P18-02] 肺高血圧症を合併した先天性門脈体循環シャントに対してAmplatzer Vascular Plugを用いて閉鎖した1例

鳥越 司1, 佐藤 誠一2 (1.新潟大学 小児科, 2.新潟市民病院 小児科)

Keywords:門脈体静脈シャント、肺高血圧、Vascular Plug

【背景】門脈体循環シャント(PSS)の合併症の一つに肺高血圧(PH)が知られている。治療はコイル塞栓等のカテーテル治療や手術だが近年Amplatzer Vascular Plug(AVP)の有用性が報告されている。【目的】PHを伴い、かつシャント血管が太くさらにアプローチ血管が複雑に屈曲しコイル塞栓が困難と考えられたPSSに対してAVPで閉鎖した症例を報告する。【症例】15歳男児。既往歴は臍帯ヘルニア術後、脳出血後水頭症VPシャント留置後、気管支喘息。経過中PHを認め造影CT、カテーテル検査で門脈・左腎静脈シャント、PH、下大静脈欠損奇静脈結合を認めた。肝内門脈は存在した。体静脈からシャントへのアプローチ血管は臍帯ヘルニア術後のため複雑に屈曲し、かつシャント血管も180°屈曲し径は15mmと太くコイル塞栓は困難と考えられた。PHはmean PAp 45mmHg,Pp/Ps 0.48,Rp/Rs 0.37だった。肺血流シンチは両側非区域性血流低下が散在し、有意な右左シャントはなかった。PSSのPH合併と考え閉鎖治療の方針とした。バルーンによるシャント閉塞試験で門脈血圧は前10→後15 mmHg、閉塞中造影は門脈系血流が門脈にスムーズ流れたため閉塞可能と判断した。下腸間膜静脈にGWを留置し9Fr britetip cathを挿入後、22mmのAVP2を留置できた。術後deviceの移動は認めず、腹部エコーで門脈系血流は全て求肝性で門脈は術前より拡大した。術前術後で血中総胆汁酸106.3→7.4μmol/l、アンモニア104→65μg/dl、マンガン3.9→2.4μg/dlと改善した。PHはbosentan, sildenafil内服も併用し6か月後にカテーテル検査を行ったがmean PAp 48mmHgと著変なかった。【考察】本症例のAVP留置は静脈系血管のためやや大きいサイズを要したが適切なサイズを選択することでコイル塞栓より安全に留置できた。一方でPSSに合併するPHはシャント閉鎖治療単独での正常化は難しいことが多く、本症例でも肺血管拡張薬の継続を要した。両者による早期治療が重要と考えられた。