第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療1

ポスターセッション(P18)
カテーテル治療1

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
小林 俊樹(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

P18-01~P18-05

13:50 〜 14:40

[P18-03] AMPLATZER vascular plugを用いた血管閉鎖術~3タイプの異なる血管での経験~

家村 素史1,2, 寺町 陽三1,2, 鍵山 慶之2, 吉本 裕良1,2, 岸本 慎太郎2, 籠手田 雄介2, 工藤 嘉公1,2, 前野 泰樹2, 須田 憲治2, 山下 裕史朗2 (1.聖マリア病院 小児循環器内科, 2.久留米大学医学部 小児科)

キーワード:カテーテル治療、 血管閉鎖術、vascular plug

(背景・方法)現在3タイプのAMPLATZER vascular plug(AVP)が認可され、使用可能となっているが標的血管の形態や構造に適したplugやcoilなどの他のdeviceの選択が必要となる。今回、3種類の部位、性状の異なる血管に対してAVPを用いて血管閉鎖術を用い、血管形態とplugのサイズ、残存短絡などを検討した。(症例1) 5歳の男児。PA,TGA,VSD,TAPVD,TCPC術後の低酸素血症精査で検査施行。肝静脈より心房内へ流入する最狭部5.5mmの側副血行路に対してAVP2 12mm*9mmを留置。留置後より遺残短絡は消失し、酸素飽和度は88%から92%へ改善し、再疎通は認めていない。(症例2) 31歳の女性。SV(LV type)PAPVD、P-LSVC,TCPC術後。動悸、腹水貯留の精査目的にて検査施行。Lt BTS(最小径4.2mm)が開存していたため、AVP2 12mm*9mmを留置。留置5分後では少量のleak認めたが、その後消失を確認し、腹水は残存しているが症状の増悪は認めていない。(症例3)17歳の女性。Pulmonary PA-PV fistulaにて複数回のcoil塞栓術を施行されている。酸素飽和度の低下と息切れの症状にて検査施行。RPAよりの複数のFistula(PA-PV)を確認。以前coilが留置されているfistulaの開存も確認されたため、以前のcoilとcoilの間にAVP4 6mm*11mmを留置。leakを認めたためcoilの手前にAVP4 7mm*12.5mmを留置し塞栓できたが、その他多くのfistulaが残存、治療時間も長時間となり終了とした。症状の著明な改善は認めなかった。(考察)側副血行路や残存BTSなどの比較的形態がスムーズな血管に対してはAVP2の形態が適しているが、治療後のPA-PV fistulaなどは形態が複雑でアプローチが困難なことが多く、AVP4が使用しやすいと考える。(結語)AVPを使用した血管閉鎖術は適切なサイズを選択すれば透視時間や症例に対する負担の軽減に有効であると考える。