13:50 〜 14:40
[P18-04] Occlutech PDA occlude deviceを用いた膜様部心室中隔欠損の閉鎖の一例
キーワード:VSD閉鎖、Occltech、インターベンション
【目的】心室中隔欠損に対する経皮的Device閉鎖術は日本では認可されていないが、潜在的な適応患者は存在する。今回そのような症例に対してOcclutech PDA Occluderを使用したVSD閉鎖の一例を経験したので報告する。【方法】36歳女性。以前から膜様部心室中隔欠損と診断されていたが、三尖弁によるポーチ形成があり、シャント血流は少なくその他の条件を勘案しても閉鎖の適応は無いとして経過観察されていた。二年前に全身性強皮症を発症し将来の肺高血圧リスクを軽減するため心室中隔欠損閉鎖の適応とされた。また、全身性強皮症という特殊な性質のため皮膚切開を伴う外科手術よりも経皮的Device閉鎖の適応があるとされた。最初に左室造影を行い欠損孔の状態を確認した。4F JRカテーテルをガイドワイヤーで右室、右房にまで挿入した。それを大腿静脈から挿入したスネアでつかみ、大腿静脈との間でループを形成した。8Fロングシースを大腿静脈から挿入し4F JRとkissingした状態で上行大動脈までロングシースを挿入した。4F JR を6F Pigtailカテーテルと交換し、kissing状態で左室に挿入したあとNoodle wireは取り除かれた。Pigtailカテーテルで左室造影を行ったところ心室中隔欠損欠損孔は8F Mullinsロングシースで閉鎖された状態でリークは認めなかった。Occlutech PDA occluder deviceを選択し透視、経食道エコーで位置を確認しながらdeviceを設置した。【結果】三尖弁逆流の増悪、大動脈弁逆流の無いことを確認した後にリリースした。翌日のレントゲン、エコー、心電図で問題無いことを確認した上で退院した。【考察】 一般的に膜様部の心室中隔欠損に対するデバイス閉鎖は房室ブロックの発生が問題となる。今回の症例は膜様に張り出した中隔尖にデバイスを掛けることでブロックの問題を回避した。治療適応はあるが、手術は困難なこの様な症例に対するデバイス治療は有用であると思われた。