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[P19-06] 心房中隔穿刺における高周波エネルギー穿刺針(radiofrequency transseptal needle)の使用経験
Keywords:RF needle、安全性と有効性、体格の小さな小児
【背景】EPSアブレーションにおける左房側起源の不整脈に対して経大動脈的アプローチと経静脈的、心房中隔穿通法によるアプローチが行われている。心房中隔穿通法にはBrockenbrough針による機械的穿通法と高周波エネルギー穿刺針(Radiofrequency transseptal needle)による電気的穿通法がある。本邦では2012年4月よりRF needleの使用が承認されたが小児への使用は未だ少ない。左房側に頻拍起源のある電気生理学的検査およびアブレーションを容易にするべく心房中隔のRF needleを用いた穿通法を行い検討した。【対象】当科で行われた心房中隔の高周波穿通法で左房側にアクセスした16例。【結果】年齢の中央値12歳(生後9か月から46歳). 身長の中央値149.4(72-165)cm. 体重の中央値43.8(9-56.6)kg. 手技時間の中央値29(9-47)分.副伝導路が左房側にあるWPW症候群13例、肺静脈起源の心房頻拍AT 1例、左房起源の多源性異所性の心房頻拍EAT 1例、特発性心室頻拍ILVT 1例であった。ガイドとして心腔内エコーを13例に用い、5歳未満の3例は挿管全身麻酔下で経食道エコーを用いた。肺静脈起源ATは当初は右心房から心房中隔に対して通電を行っていたが無効であったため心房中隔穿通して左房側にアクセスした。左房の多源性異所性心房頻拍EATは再発による2nd sessionであり心房中隔穿通法を用いた。特発性心室頻拍ILVTは、大動脈弁置換Konno術後であったため経大動脈的に左室へのアクセスが不可であり心房中隔穿通して左心室にアクセスした。全例で合併症はなかった。【結語】高周波穿通法は、左房腔の小さな例でも従来の機械穿刺法で危惧されるneedleのスリップによる誤穿刺や左房後壁穿孔のリスクが低く、体格の小さな小児においても安全に施行できた。穿刺のガイドは5歳以上の場合は心腔内エコーを用いることが多く、5歳未満では全身麻酔下による経食道エコーが有用であった。