第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療3

ポスターセッション(P20)
カテーテル治療3

2016年7月7日(木) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
上田 秀明(神奈川県立こども医療センター 循環器科)

P20-01~P20-07

18:00 〜 19:00

[P20-01] APCAコイル塞栓術におけるコイル数削減の試み

小林 俊樹, 葭葉 茂樹, 小島 拓朗, 清水 寛之, 安原 潤, 熊本 崇, 趙 麻未, 住友 直方 (埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

キーワード:ACPC、マイクロコイル、Fontan

【はじめに】Fontan術前APCAにコイル塞栓術(CE)を行うが、HLHS系列疾患ではAPCAが多数発達し、多数のマイクロコイル(MC)を必要とする。しかし、支払機関は地域により数に差があるが使用数に上限をもうけ、治療に必要であっても上限を超えた場合には査定されている。このために、CEに際して効果は保ちつつ使用コイル数の削減を試みたので報告する。【方法】APCAは鎖骨下動脈などから細い血管が多数入るタイプと、内胸動脈の分枝のほとんどがAPCA化しているタイプがある。前者に対しては各血管にMCを詰めなければいけないので工夫のしようがない。後者はAPCAを分枝している血管域を全てCEする必要があり、多数のMCを必要とする。脳動脈瘤用に開発されたコイルの巻径が大きく、長いMCが存在する。柔軟なMCは血管の遠位端にanchoringをすれば、血管径の200-300%ほどの巻径のMCでも密につまり完全閉塞を得ることが可能であることをwet labにて確認。この方法にて従来の適正径のMCに比して10倍前後の長いMCを用いることが可能となった。これにより一本のMCで従来の数本分以上の距離が閉塞可能となった。機種が同じであれば長さに関係なくコストは同一であり使用MC数の削減が可能となった。【結果】使用上限数も考慮してCEを行っているが、2011年に3例ほどMCの査定を受けた以降2012年から延24例にMCを行っているが、査定は経験していない。Fontan術後の胸水遷延による追加CEは1例のみ。当初から上限数の2倍程度のCEが必要と判断されて、月をまたいて2回のCEを行った症例が2例であった。【考察及び結語】医学的に必要でも高価なMCが査定されている。数を減らす努力は必要であるが、地域によりその上限には差があるようで、その根拠もはっきりしない。臨床的にどの位のMCが必要とされるかのエビデンスを作る調査も必要と考えられた。